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「江川二世」と評される小川哲平(作新学院)、関東大会、神宮大会では32回1失点の超実戦派右腕!<2024年のヒーロー候補たち③>

2023.12.07


小川哲平(作新学院)

【高校野球ドットコム注目選手ファイル】

落合中時代から140キロを超える速球を投げ込む投手として注目を浴びていた小川 哲平投手(作新学院)。今秋の神宮大会で快投を続け、「江川二世」の呼び声がだんだん高まってきた。神宮大会決勝戦の取材では、民放各社のテレビカメラから取材を受ける姿があり、注目度の高さが伺えた。
来春のセンバツの目玉である小川は、この秋、関東大会、神宮大会通じて、32回を投げ、わずか1失点と抜群の安定感を発揮。実戦力が大幅に高まった。

この秋のストレートは、常時130キロ後半〜143キロで、最速は147キロほど。1年生の時や2年夏までは140キロ中盤を計測していても、振り抜かれやすい球質だった。だいぶ回転数を高めることにこだわったのか、秋は140キロ前後でも空振りを奪えることが多くなった。また制球力があり、ストライク先行ができるため、打者に対して優位に投球を組み立てることができる。
小川が良いのは、追い込んでから「ベストストレート」を投げることができること。関東大会ではまだ甘いコースが多かったが、神宮大会ではコーナーへ強いストレートを投げることができるようになり、被打されることが少なくなった。また、120キロ前半のスライダー、縦系の変化球でカウントを取ることも、三振を狙うこともできる。

この1年で終盤になってもピッチングのクオリティが落ちなくなり、長いイニングを投げられるようになった。北海戦では高校に入って初めて9イニングを投げた。小川は「9イニング投げられたことは自信になる」と手応えを感じており、また111球に収め「県大会、関東大会から球数が多めでしたので、少なく収められたのは良かった」と語った。

投球フォームで気になったのは、踏み出した時にアウトステップしてしまい、打者と正対するのが早くなっていること。そのため球の出所が見やすく、振り抜かれやすい。以前は高めに浮く事が多く、そこを痛打されての失点が多かった。
秋、このフォームで抑えることができたのは、投げ間違えのない投球をしていたからだ。高め、低めと打者が打てないコースにしっかりと投げられる確率が高まったからこそ抑えられた。この制球力の高さは維持したい。

神宮大会では寒さの影響もあったのか、130キロ中盤のストレートが多かった。小川自身も「もっとストレートの切れを磨いていきたい」と語るように、センバツまでに常時140キロ中盤〜後半を出せる出力を手に入れたい。神宮大会で見せたコマンド力の高さを生かした投球にストレートの力強さが加われば、プロ入りはぐっと近づくだろう。

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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