News

「ミスを怒らず、みんなで助け合う」全国大会が甲子園で開幕 小学生が全力プレーで大会を盛り上げる

2023.12.10


ホームランを打った打瀬ベイバスターズ(千葉)の森本大翔

9日、甲子園で「MIZUNO BASEBALL DREAM CUP Jr. Tournament2023 全国大会FINALラウンド」が開幕した。この大会はスポーツメーカー・ミズノが主催する少年軟式野球の大会だ。9日は準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。

2021年から始まり、今年は3回目を迎えた。通常のトーナメント方式の大会とはコンセプトやいくつかの約束事が掲げられている。
【コンセプト】
「みんなで褒め合おう!みんな笑顔で楽しもう!『ミスを怒らず、みんなで助け合う』野球大会」
【約束事】
・元気いっぱいプレーしよう!
・気軽に参加しよう!体操服・運動靴でもOK
・みんなが主役!1人でも多くの選手が試合に出よう
・みんなでこの大会を盛り上げよう
・失敗した時こそ、励まし合おう

サヨナラ打を放った魚住フェニックス(兵庫)の森琥太郎

野球を楽しむために考えられた今大会。実現のため、リエントリー制度を採用している。1人でも試合に出場できるチャンスを作った。さらに、道具の貸し出しやユニフォームが統一されていなくても参加は可能。出来る限り多くのチームに、野球の魅力を感じてもらおうという試みだ。

こうした大会コンセプトに惹かれ、年々全国からの応募が増えている。2021年は656チームだったが、今回は917チームから申し込みがあった。ユニフォームが揃わないなど、野球値チームとして普段活動していないところからも「応募が増えています」と大会関係者は話す。大会に込めた思いが徐々に広がっている。

9日の準々決勝に参加チームからも、思いを汲んだような様々な声が寄せられた。
魚住フェニックス(兵庫)の森琥太郎くんは「ミスへの指摘をしないようになって、チームの雰囲気が良くなり、さらに野球が楽しくなった」と野球の楽しさを再確認。岡山庭瀬シャークスの伴隆希くんも、「声掛けがいつもより多くなったと思うし、もっと野球が好きになりました」と野球の魅力に引き込まれた。

ハイタッチをする岡山庭瀬シャークスの選手たち

選手だけではなく、監督からも大会に対して様々な声が聞こえた。
BC Glanz(埼玉)の金子敦志監督は「チームワークが特に成長したと思います」と選手たちの成長を語れば、椿ジャビッツの宗岡幹雄監督は「子どもたちの今後の人生で考えても、いいスタートが切れる1日だった」と語る。八代ジュニアスターズ・野村利昭監督からも「子どもには野球を少しでも続けて欲しいと思うので、そのためにも野球を好きになってもらいたい。ですのでこういった大事な大会だと思います」と選手たちの今後を考えても、いい機会だと感じている。

もちろん聖地・甲子園でプレーできていることに喜びを感じている選手たちもいる。打瀬ベイバスターズ(千葉)の森本大翔は「甲子園で2本もホームランが打てて嬉しい」と自身の活躍に満足している選手もいれば、金岡ベアーズ(大阪)・瀬尾龍希大は「いつもより盛り上がっていたので、楽しくプレーできました」と話す。約束事の1つである「みんなでこの大会を盛り上げよう」を体現するように、スタンドの保護者も一体となって盛り上がっていることに、気持ちを高ぶらせていた。

ヘッドスライディングなど全力プレーが見られた

だが何よりも、どのチームも最後まで諦めずに戦い抜いた姿が光った。BC Glanz(埼玉)は普段から協力し合うことを大事にしているというが、葛西勝也は「元気を出して雰囲気よく、チームが1つになって戦えた」と普段以上に良い雰囲気で戦えたようだ。

10日は準決勝、決勝、さらにエキシビションマッチが控える。準決勝第1試合は、延長タイブレークを制した魚住フェニックスと、12得点をマークした打瀬ベイバスターズ。第2試合は11得点を奪った八代ジュニアスターズと、0封勝利を飾った水戸市野球スポーツ少年団が対戦する。

【9日の試合結果】
魚住フェニックス 5-4 BC Glanz
打瀬ベイバスターズ 12-6 椿ジャビッツ
八代ジュニアスターズ 11-4 金岡ベアーズ
水戸市野球スポーツ少年団 9-0 岡山庭瀬シャークス

【10日の試合】
魚住フェニックス vs 打瀬ベイバスターズ
八代ジュニアスターズ vs 水戸市野球スポーツ少年団

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.30

【夏の甲子園・近畿地区好カード一覧】京都国際 vs.京都成章、市立和歌山vs.田辺! 初戦から激戦必至

2024.06.30

【夏の甲子園・四国地区好カード一覧】いきなりビッグ右腕対決!?徳島では阿南光と生光学園が2回戦で対戦か!?

2024.06.30

3連覇を狙う九州国際大付など強豪シードが初戦、雨天順延の東海大福岡も、1日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!