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【高校野球ベストシーン’23・大阪編】両左腕の意地がぶつかりあった大阪夏の決勝、中日4位・福田がソフトバンク1位・前田に投げ勝った

2023.12.13


福田 幸之介(履正社)

2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。

【選手権大阪大会決勝・履正社vs.大阪桐蔭】
今年の夏の大阪頂上決戦は、「両横綱」が、がっぷり四つに組んで激突。結果は、3対0で履正社大阪桐蔭に勝利した。過去、両者の決勝での対決は5度あったが、すべて大阪桐蔭が勝利。履正社は初めて大阪桐蔭に決勝で勝利し、優勝した19年夏以来の甲子園切符を手にした。

その立役者は福田 幸之介投手(3年)だった。強力打線を相手に、わずか3安打の完封劇。5回までは1安打に抑える安定感で、3点の援護で十分だった。2年に夏選手権デビュー。秋は満足のいく成績を収めることができなかったが、3年春のセンバツの高知(高知)戦で先発7.1回を3失点。7回までは無安打に抑える好投を見せ、大きな自信をつけていた。3年となってから大きく成長を遂げ、夏に大仕事をやってのけた。

大阪桐蔭の先発・前田 悠伍投手(3年)は、福田とは正反対に1年秋から頭角を現し、世代No.1左腕として君臨していた。1年秋から明治神宮大会連覇、2年春のセンバツでチームを優勝に導くなど、早くから注目されていた。その後、不調の時期もあったが、3年夏に復活。決勝の舞台に上っていたが、4回までに3点を失って最後の夏は甲子園に届かなかった。

福田と前田。歩んできた道がまったく違う2人の左腕は、最後の最後で福田が「逆転」した形となった。

前田はその後、その悔しさを晴らすようにU-18W杯で日本の初世界一に貢献。ソフトバンクに1位指名でプロ入りを果たした。福田も甲子園での活躍が評価され、中日4位指名を勝ち取った。

大阪の舞台で切磋琢磨した2人の左腕は、プロの世界でも激突する時が訪れるだろう。2人の対決の物語には、まだ続きがある。

<全国高校野球選手権大阪大会:履正社3-0大阪桐蔭>◇2023年7月30日◇決勝◇大阪シティ信用金庫スタジアム

履正社スタメン
(中)西 稜太(3年)※東海大進学予定
(遊)森澤 拓海(3年)
(右)近澤 賢虎(2年)
(三)森田 大翔(3年)※帝京大進学予定
(左)西田 大志(3年)
(一)小川 輝(3年)
(投)福田 幸之介(3年)※中日4位指名
(二)只石 琉人(3年)
(捕)野上 隼人(3年)

大阪桐蔭スタメン
(一)笹井 知哉(3年)※日本体育大進学予定
(左)山田 太成(3年)
(右)徳丸 快晴(2年)
(三)ラマル・ギービン・ラタナヤケ(2年)
(捕)南川 幸輝(3年)
(二)村本 勇海(3年)
(遊)小川 大地(3年)※法政大進学予定
(中)吉田 翔輝(2年)
(投)前田 悠伍(3年)※ソフトバンク1位指名

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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