2023年実際に起きた『下剋上球児』なストーリー! 連続初戦敗退チームが一躍甲子園、球速30キロアップで無名選手がドラフト指名!
オリックスから指名を受けて浮田 宏行監督と手を合わせる聖カタリナ学園・河内 康介
TBS系列(日曜・夜9時)で放映されているドラマ『下剋上球児』が17日に最終回を迎える。野球ファンの間でも人気の作品である。
このドラマは2018年夏の白山高校(三重)の快進撃をモデルとしているが、実際に2023年、高校球界であった「下剋上」球児とチームを紹介しよう。
無名投手がドラフト2位に急成長!
まずは「下剋上」した球児から。オリックス2位指名を受けた河内 康介投手(聖カタリナ)だろう。今では150キロのストレートを投げる本格派右腕だが、入学当初は120キロぐらいだった。そこから食事量を増やすなどして、体重が増加。2年秋までには140キロ前後までスピードアップに成功する。まだこのときはドラフト候補に挙がっておらず、編集部恒例企画「高校生期待度ランキング」の23年1月版では50位までにランクインすらしていなかった。
しかし、そこからさらにトレーナーの指導で体の使い方を見直した河内は、春先の練習試合で145キロを計測。そして夏前には147キロまでスピードアップ。「期待度ランキング」7月版では44位にまで浮上した。
夏の愛媛大会では最速150キロを計測するなど、好投の連続。12球団も視察する存在となり、全国レベルの投手に成長。ドラフト前に行われた期待度ランキングでも、7位まで昇格した。そしてドラフトで、オリックス2位指名を勝ち取ったのである。
秋、春初戦敗退チームが、夏は甲子園!
チームではこの夏、甲子園に出場した鳥栖工(佐賀)を挙げたい。秋、春の県大会ともに初戦敗退。夏前の展望では下馬評にも挙がらない存在だった。しかし夏の佐賀大会では優勝候補として注目された佐賀北と対戦。春に敗れた相手だったが、2対1で勝利し、その勢いのまま佐賀大会の頂点に立ち、初の甲子園出場を成し遂げた。甲子園では初戦で伝統校・富山商(富山)に延長12回の激戦の末、3対2でサヨナラ勝ち。2回戦では名門・日大三(西東京)は1対3と惜敗。互角の勝負を演じた。実際に甲子園球場でも、鳥栖工を後押しする応援はだんだん高まっていたのは印象的だった。
「下剋上」という言葉はなぜか人の心を掻き立てる。来年も、「下剋上」球児、チームは現れるのだろうか。