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筋力の評価とRM法【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.01.16


RM換算表を用いると最大挙上重量(マックス)を推定することができる

野球の技術練習と並行して、大きな力を発揮するためにウエイトトレーニングを取り入れているチーム、選手は多いのではないでしょうか。トレーニングを続けていく上で、欠かせないのはその時々での筋力の評価です。皆さんは「RM(アールエム)」という言葉を聞いたことはありますか? ウエイトトレーニングの重量や回数を設定するときに用いられるもので最大反復回数のことを意味します。例えばスクワットを行う時に10回繰り返し実施し、11回目が挙上できなかった場合の重量は10RMとなります。1RMは1回挙上できる重量のことで、その人が持ち上げられる最大挙上重量(マックス)に相当します。

1RMは「1回上がるかどうか」もしくは「やっと上げられる重さ」となるため、1RMの測定は何度か繰り返さなければならなかったり、繰り返しているうちに筋疲労が起こってしまったりと、正しく1RMを導き出すのはむずかしい側面があります。またシーズン前などは高重量の負荷を扱うことによるケガのリスクも考慮する必要があります。そこでより安全に筋力を評価する方法として、最大反復回数(RM)を使って最大挙上重量を推定する方法があります。

1RMを測定するためのモデル式はいくつか種類がありますが、一つの例としてNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)が採用している換算表を例に見てみましょう。1RMのときは推定1RMは100%ですので、測定値がそのまま1RMとなります。これが例えばスクワットで80kgの重さを3回挙上した場合はどうでしょうか。表によると3RMは93%となり、1RMを求めると80(kg)÷0.93=約86.0(kg)となります。80kgで3回挙上できるのであれば、1回挙上重量は86kgと推定できるということです。このような方法で求めると最大負荷を用いることなく、1RMを求めることができます。ただしこの推定1RMは回数が多くなるにつれて、どうしても誤差が生じやすくなります。1RMの測定はより正確な筋力評価となりますが、ケガのリスクや測定時期などを考慮すると推定1RMを用いることも一つの方法と言えるでしょう。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 田中 裕毅

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