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大谷効果だけではない!? 韓国開催のパドレスvsドジャースのチケットが争奪戦になっているのか?

2024.02.03


高尺ドーム(筆者撮影)

首都・ソウルなど韓国はドーム建設の流れ

ドジャース対パドレスの試合のチケット争奪戦を激化させたのは、大谷の存在に加え、高尺スカイドームの座席が1万6000席程度しかないことも大きい。

かつてソウルの中心部に高校野球のメイン球場として使われていたトンデムン(東大門)野球場があったが、ソウル市の再開発事業のため、2007年に撤去された。ソウル市は代替の球場を作ることを約束し、ソウル市西部、ちょうどインチョン(仁川)に向かう途中にあるコチョク洞に用地を確保した。当初は完全なドームでなく、かなりの部分を屋根で覆った半ドームの球場を作る予定であった。しかし、08年の北京五輪で金メダルを獲得し、09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で準優勝して野球人気が高まると、完全ドーム形式に設計を変更した。15年の秋に完成すると、高尺スカイドームやや北側にあるモクトン(木洞)球場を本拠地としていたネクセン(現キウム)が使用するようになり、高校野球は主にモクトン球場で行われている。しかし高尺スカイドームは、もともと高校野球の球場として作られていたため、球場のキャパシティはそれほど大きくない。

なお、現在LGトゥサン(斗山)の本拠地として使用されているソウルのチャムシル(蚕室)野球場は、来年のシーズン終了後、取り壊され、31年の完成を目指し、3万人収容規模のドーム球場を建設する予定である。またインチョンを本拠地とするSSGは、新たに2万人収容規模で、ショッピングセンターなどと一体となった新ドーム球場を建設する予定だ。SSGとはシンセゲ(新世界)グループのことで、百貨店やディスカウントストアなどを経営している。

ソウル首都圏は秋ごろから寒さが厳しく、ドーム球場建設は悲願であった。けれども費用の問題などから、なかなか建設されなかった。近年、高尺スカイドームのほかにも、新たなドーム球場が建設されようとしているのは、韓国の経済発展、野球人気の高まりに加え、K-POP人気の世界的な高まりも大きい。これまで大型コンサートは、ソウルのワールドカップ競技場などで行われていたが、天候、気候の影響を受ける屋外より、収容人数が多いドーム球場を求めるのは、当然の流れである。

(文=大島裕史)

高尺ドーム(筆者撮影)

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この記事の執筆者: 大島 裕史

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