【センバツドラフト候補・左投手編】7人の好左腕をピックアップ!「とにかく打ちにくい」星稜・佐宗、八戸学院光星の「速球派二枚看板」、熊本国府の超変則左腕らに注目だ!
佐宗 翼(星稜)、植田 凰暉(熊本国府)
第96回選抜高等学校野球大会の出場32校の注目選手を見ていくと、右投手では今朝丸 裕喜投手(報徳学園)、平嶋 桂知投手(大阪桐蔭)、小川 哲平投手(作新学院)のBIG3を筆頭に右の速球投手が揃っているが、左投手はコントロール、打ちにくさ、粘り強さなど総合力の高さで勝負する投手が多い。今年、ドラフト候補に挙がる7人の左腕を紹介していきたい。
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星稜・佐宗の「打ちにくさ」は一級品!
注目度でいえば、佐宗 翼投手(星稜)が筆頭にあがる。昨秋の神宮大会では3試合で19回を投げ、自責点6だが、決勝戦の作新学院戦(栃木)では、1失点完投勝利を挙げ、32年ぶりの神宮大会優勝に貢献。その投球内容は素晴らしいものだった。
テークバックをとった時、ボールの出どころが見にくく、一気に腕が出てきてリリースに入る。その動きは実にリズミカルで、打者からすれば打ちにくい。
130キロ後半の速球は球速表示以上の感覚があり、スライダー、ツーシームを駆使した投球スタイルは絶品で、ストライク先行で、しかも低めに決まるので、打者は狙い球を絞りきれず、凡打を繰り返す。打ちにくさという点では突出している。好調時は140キロ前半も計測しているので、さらにアベレージのスピードが上がれば、ドラフト指名の可能性もあがってくるだろう。
八戸学院光星の二枚看板・147キロ左腕・洗平 比呂投手と148キロ左腕・岡本 琉奨投手にも注目だ。洗平は長い腕を活かし、鋭く振り下ろす速球派左腕。どの試合でも140キロ中盤の速球を投げ込んでおり、スピードは十分。縦のカーブも鋭く落ちる。秋季東北大会では16回を投げ、18奪三振と、わずか1失点の好投。
岡本は左スリークォーター気味から威力ある140キロ前半の速球を投げ込む。バックスピンがかかった洗平のストレートと違って、手元で動く球質。芯を外して内野ゴロを打たせる。120キロ前半のスライダーのキレもよい。センバツで「ドラフト指名確実」と呼べるほどの投球ができるか。
中崎 琉生投手(京都国際)は、スリークォーター気味のフォームから繰り出す130キロ後半の速球を両サイドに投げ分ける。低めに決まるスライダーも精度が非常に高い。近畿大会初戦の田辺(和歌山)戦で12奪三振を記録するなど、3試合で25回を投げ、5失点と安定した投球を魅せた。