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食生活の見直しとプロテイン【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.02.20


プロテインはあくまでも栄養補助食品。まずは日頃の食事量や内容を見直そう

春のシーズンに向けて、体力強化やその土台となる体づくりに取り組んできたチームや選手は多いことと思います。技術力の土台となる基礎体力は「トレーニング(練習)」「栄養」「休養」のバランスが大切であり、どれか一つが極端に欠けてしまうと思ったような成果が得られない…ということにもなります。特に栄養面では筋肉の元となるタンパク質を重視する傾向が強く、日常生活の中で「プロテイン」をとることも珍しくありませんが、その一方で「プロテインの過剰摂取」「栄養バランスの偏り」などを再確認する必要もあるでしょう。

成長著しい高校生にとって、食事から必要なタンパク質量を三食+間食を含めて食事から摂取していても、場合によっては不足してしまうこともあると考えられます。その場合に必要な分を補う役割を果たすのが「プロテイン」です。ところが日々の食事内容が野球選手としては不十分であるにも関わらず、プロテインに頼った食生活を送っていると、コンディションを崩す要因ともなりかねません。まずは日頃の食事内容を確認してみましょう。

●毎回の食事にタンパク質(肉・魚・卵・大豆・乳製品等)を多く含む食材が入っているか
●ビタミン・ミネラル分などを含め栄養バランスのよい食事をとっているか
●欠食していないか(特に朝食)

この3つが守られていない場合は、まず食生活の改善から始めましょう。特に男子選手は野菜を食べる量が少ないといわれており(女子選手は鉄分が不足しやすい)、ビタミンやミネラル分が不足しやすい傾向にあります。こうしたビタミン・ミネラル不足の状態ではタンパク質を摂取してもそれがうまく体に取り込まれないだけではなく、ケガをしやすい体になりやすくなります。食事の中にタンパク質を含む食品を取り入れることはもちろんですが、同じようにビタミン・ミネラル分が不足しない食事を心がけましょう。

さらに食事が抜けてしまう、いわゆる欠食にも注意が必要です。特に朝食を食べずに午前中を過ごすことは、体づくりの面だけではなく勉強の集中力も欠けてしまいがちです。また朝食を食べたかどうかだけではなく、何を食べたか、食べる量は十分かといったことも確認しましょう。朝食でもベーコンエッグやゆで卵などの卵類、和食であれば豆腐やお味噌汁などの大豆製品、お魚やお肉などのおかず類などを食べると、体に必要なタンパク質を無理なくとることができます。

こうした食事面を見直した上で、さらにタンパク質量が不足している場合に初めてプロテインの摂取を考慮しましょう。ただしプロテインは摂れば摂るほど良いというものではなく、摂りすぎは肝臓や腎臓に負担をかけますし、体質によっては食物アレルギーと同様のアレルギー反応を起こすことも知られています。あくまでもプロテインは食事の補助的な役割であることを覚えておきましょう。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 西村 典子

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