News

救命救急への備え【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.03.05


ホームだけではなく、遠征先などでもAEDの設置場所は必ず確認しておこう

いよいよ春のシーズンが到来し、公式戦に向けて実践練習や他校との練習試合の機会も増えてくることでしょう。シーズン前には突然のアクシデントに備えて「緊急時対応計画(EAP=Emergency Action Plan)」を作成することが推奨されており、普段からアクシデントが発生したときの行動について確認しておくことが大切です。一般的には指導者、保護者、トレーナーなどの専門家といった大人が対応することが多いものですが、アクシデント発生時に一番近くにいるのが選手だったというケースも考えられます。この機会に選手の皆さんも緊急時の対応について必ず理解しておきましょう。

緊急性の高いアクシデント「3H」と

運動中におきるアクシデントのうち、生死に関わるとされているのが、Heart=心臓、Head=頭部(首も含めて頭頸部)、Heat=熱の3要素です。これは頭文字をとって「3H」と呼ばれています。Heartでは心臓疾患による突然死が最も多く、頭部では外傷による脳内出血や頭蓋骨の骨折、熱は熱中症のことを指します。これら3つのアクシデントに遭遇したときは救急車の要請や迅速な救急対応などを行います。

「3H」と判断に迷う場合は119番通報

頭頸部や胸部付近への強い衝撃が加わったとき、もしくは鈍い衝撃であっても選手がその場でうずくまったり、倒れてしまったりしたときは、まず周囲の安全状況を確認した後にすぐに選手の状態を確認します(二次災害を防ぐため)。意識や反応、呼吸の有無によっては119番通報と、AEDを準備する必要があります。最初に選手への対応を行っている人は、大きな声で周囲の人を呼び集めて協力を依頼し、119番への通報する人、AEDを取りに行って準備する人をそれぞれ「あなたにお願いします」と手で指しながら指示しましょう。「3H」に該当するケースはもちろんのこと、「頭を強く打っているけど意識はあり、でもフラフラする」とか「本人は大丈夫といっているが顔色が悪い」など、判断に迷う場合にも119番通報をして指示を仰ぐようにしてください。

AEDの場所確認と病院リストの作成

グランドから一番近いAEDの設置場所をチーム全員が理解しておく必要があります。AEDは早く準備できるほど救命の可能性が高まるため、必要なときにすぐに取りに行けるようにしておきましょう。自チーム以外のグランドなど環境が変わったところで試合などを行う場合は、まずAEDがどこに設置されているかを確認しておきましょう。

また緊急時にすぐに受診できる病院リストを作っておくことも大切です。近隣の整形外科をはじめ、時間外対応が可能な総合病院、大学病院などもあわせてチェックしておき、電話番号や休診日など必要な項目を書いておきましょう。アクシデント対応時に迅速に行動するためのフローチャートの一例を作成しました。グランドの場所や病院の詳細などを記入し、ベンチなどに掲示しておき、いざという時に誰が見ても冷静に行動できるように役立ててください。スポーツの現場では思いがけないアクシデントが起こることがあります。いざという時にあわてないように選手の皆さんも緊急時の対応を覚えておきましょう。

緊急時のフローチャート(A4版 PDFファイル)

文:西村 典子
球児必見のコラム「セルフコンディショニングのススメ」はこちら!

この記事の執筆者: 西村 典子

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.27

慶應ボーイの学生監督が率いる慶應志木 来る夏は「現役の時よりも緊張するかもしれません」

2024.06.26

【南北海道】函館支部では函館大有斗が9回サヨナラ、函館大谷はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.06.26

【南北海道】室蘭支部では、第3シードの苫小牧東と鵡川が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.26

低反発バットなど関係ない!“飛距離モンスター”マーティン・キャメロン(東海大札幌) に大爆発の予感!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!