オープン戦絶不調の阪神、投手陣は大丈夫なのか? OB投手が解説「伊藤、青柳の実績組は安心、門別、岡留も戦力になる」
青柳 晃洋、横浜高時代の伊藤 将司
昨年、日本一の阪神が13日のロッテ戦で6対1で勝利し、オープン戦の連敗を9で止めた。オープン戦の勝敗はペナントレースに影響しないとはいえ、ようやくの1勝に阪神ファンもほっとしたことだろう。
オープン戦は残り7試合。阪神の投手陣はペナントレースに間に合うのだろうか? 元阪神の投手・福永 春吾氏に語ってもらった。
7失点もあった伊藤は必ず仕事をする投手 青柳は13勝をあげた22年の働きが期待できる
左腕エースの伊藤 将司投手(横浜)がオープン戦当初、苦しい投球をしていた。2月23日の巨人戦では3回7失点、3月6日の楽天戦では4回2失点だった。しかし、福永氏はそれほど悲観する必要はないと語った。
「まず7失点の試合はオープン戦初登板で、まだ打者との駆け引きがうまくできていない時期でしたよね。伊藤投手のように実績を残した投手は、一戦ごとに少しずつ感覚を研ぎ澄ませていき、悪かった部分をどんどん修正できます。開幕に合わせて逆算していると思うので、今の結果を気にする必要は全くないと思います。この失点がルーキーであれば話は別ですが、これまで3年連続でローテーションを守っている投手です。ペナントレースでは普通に仕事をしてくれると思います」
振り返れば「オープン戦ではそんなこともあったな」と思う程度の問題なのかもしれない。
開幕投手を務める青柳 晃洋投手(川崎工科)は順調な仕上がりを見せている。3月8日、ヤクルト戦で4回無失点、6回4安打無失点を見せた。
「青柳投手の良さであるボールを動かしながら、打たせて取る投球ができていました。13勝をあげた2022年のような働きは期待できると思います」
椎葉の二軍落ちは剛球復活へ向けてのチャンス
若手投手は明暗が分かれている。昨年ドラフト2位の椎葉 剛投手(島原中央-ミキハウス-徳島インディゴソックス)は11日に二軍落ちが決定。一軍のオープン戦では4試合に登板して、自責点1と抑えているように見えるが、自慢の直球が走らない。徳島時代は最速159キロ、アベレージでも150キロ台を投げていたストレートも、今では140キロ中盤がほとんど。アウトになっても鋭い当たりのフライが多く、内容は決して良くなかった。
「徳島時代と今のフォームと比べると、動きに躍動感がないのが気になります。これにはさまざまな要素があるかと思います。四球を出したくないのでストライクを欲しがる、結果を求めるあまり小さくまとまってしまう、初めてのキャンプ完走による疲れ、などが考えられます。原因は本人にしかわかりませんが、じっくりと取り組む時間があれば、改善はできます」
むしろ二軍落ちは復活する好機会だ。
「結果が求められ、試合が続く一軍では状態が改善することはないです。心身リフレッシュする時間はないかもしれませんが、それでも一度リセットして、シーズン始まったときに上がっていけるように頑張って欲しいですね」
ペナントレースは3月下旬から9月下旬までの約6ヶ月、143試合もある。最速159キロの剛速球を投げ込める状態に戻せば、一軍での出番は訪れるだろう。
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