News

強烈ライナー3安打! 西村幸盛(阿南光)が実践した”飛ばないバット”攻略法【センバツ輝きを放った逸材たち】

2024.03.20


西村 幸盛(阿南光)

<第96回選抜高校野球大会:阿南光11-4豊川>◇19日◇1回戦◇甲子園

阿南光(徳島)の10安打11得点での初戦突破をもたらしたのは、まぎれもなく2番打者だった。2番一塁でスタメン出場した西村 幸盛内野手(3年)が4打数3安打4打点の大活躍。1回、2回、9回と得点を挙げたイニングすべてで安打をマークした。

1回は中前へ強烈なライナー性の打球を放った。豊川モイセエフ ニキータ外野手(3年)が思わず目測を誤り、ワンバウンド後の打球を後ろにそらすほどだった。無死二、三塁のチャンスを作り、内野ゴロ2本での2点先制の足がかりをつくった。

2回は2死満塁から左越えへ強烈なライナー性の打球を放ち、走者一掃の3点適時二塁打となった。9回は先頭打者として右前安打を放ち、6得点のビッグイニングの火付け役となった。

すべてに共通しているのは、ライナー性の打球だったことだ。いまでは珍しくなった、やや上半身をかがめる「クラウチングスタイル」で構える。そこから鋭いスイングで強い打球を放っていた。本人も「この冬はライナー性を打つことを心掛けて練習をしてきた」と、成果を見事に発揮している。

新基準の飛ばないバットでは芯に当てることが要求される。クラウチングスタイルで目線を下げ、球を見やすくして芯に当ててライナーを打つことが、ヒットの近道だといわんばかりだ。大きく構えてフルスイングする打者が多くなった今の時代のなか、コンパクトスイングに徹しているが、ライナー性を打つことで方向によっては長打が生まれる結果にもなっている。

昨年の秋の公式戦では、従来のバットで打率.441を打っていた。それでも飛ばないバットへの対応をしっかりした西村の努力が、センバツで花開いた。

172センチ、67キロ。小柄の部類に入るヒットメーカーの好きな選手は、最多安打のタイトルを獲得したことのあるソフトバンクの中村 晃外野手(帝京出身)だという。2回戦以降も西村のバットから安打が生まれるに違いない。

<関連記事>
◆【トーナメント表】センバツ大会 結果一覧
◆【センバツ】飛距離は明らかにダウン、外野守備位置も前に…「新基準バット」が甲子園を変えた
◆山本陣世(田辺)「智辯和歌山からの逆転満塁弾男」、その打棒は本物だった!【センバツ・輝きを放った逸材たち】
◆センバツ初日は140キロ超えを5人がマーク!関東一・坂井が最速146キロ、平均球速140キロを叩き出す【140キロ超え投手一覧】
◆【試合レポート】プロ注対決は吉岡の勝利!モイセエフは3三振も大会第1号で一矢報いる

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.30

【夏の甲子園・近畿地区好カード一覧】京都国際 vs.京都成章、市立和歌山vs.田辺! 初戦から激戦必至

2024.06.30

【夏の甲子園・四国地区好カード一覧】いきなりビッグ右腕対決!?徳島では阿南光と生光学園が2回戦で対戦か!?

2024.06.30

北海が道内29連勝!9大会連続46回目の南北海道大会出場を決める【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!