【春季奈良県大会】藤原監督初采配の天理が法隆寺国際に快勝
1回裏に先制の適時三塁打を放った永末峻也(天理)
今年1月から藤原忠理監督が率いている天理が初戦を突破した。
藤原監督は昨年まで天理大を率いて阪神大学リーグで6連覇を達成。森浦 大輔(広島)や友杉 篤輝(ロッテ)などを育てた実績を持つ。
「有利なカウントの時は思い切っていきなさい」と藤原監督は選手を送り出し、選手は1回裏からその期待に応えてみせた。
1番・藤澤 颯馬(3年)が中前安打で出塁すると、相手の牽制悪送球と犠打で一死三塁のチャンスを作る。ここで3番・永末 峻也(2年)が右中間を破る適時三塁打を放ち、先制点を挙げる。
続く打者は1年春から主力として活躍している主将で4番の松本 大和(3年)。粘りに粘ってフルカウントからの12球目を捉えると、強烈な当たりの右前適時打となり、追加点を奪った。さらにその後、一死一、二塁から6番・豊田 竜都(2年)の中前適時打で1点追加。初回から3得点と好スタートを切った。
2回裏には二死三塁から2番・赤埴 幸輝(2年)の右越え適時打で1点を追加。相手先発の金原 朔太郎(3年)をマウンドから引きずり下ろした。
法隆寺国際は左腕の上田 晃大朗(3年)に継投したが、天理はその上田に対しても3回裏に一死二塁から豊田が二塁手のグラブを弾く適時打を放って1点を追加。4回裏から登板したエース右腕の先川 和虎(3年)に対しても一死一、二塁から赤埴の中前適時打で1点を加えた。
しかし、5回以降は先川が威力のあるストレートを投げ込み追加点を許さない。もう一押しできない天理だったが、昨年から公式戦のマウンドを経験しているエース左腕の麻田 悠介(3年)がチェンジアップやスライダーを交えた巧みな投球で6回まで無失点。7回表に暴投で1点を失うも8回3分の2を投げて、6安打2四球6奪三振で1失点とエースらしい投球を見せた。
最後は右横手投げの松村 晃大(2年)が締めて、6対1で天理が勝利。藤原監督の公式戦初采配に花を添えた。
「バットの規格が変わりましたので、そんなに昔のようにビッグイニングは作れない。だから今日は合格点をあげられると思います」と試合を振り返った藤原監督。1点ずつ積み重ねた前半の攻撃を高く評価していた。
就任して約3か月半ということでまだ手探りの状態だというが、堅実な試合運びで天理大を全国大会の常連に導いた手腕を早くも発揮している。「私自身も今後は落ち着きを持って采配できるかな」と次戦以降の戦いに自信を見せていた。
県内屈指の強打者である松本は3打数2安打1打点と活躍。2本の安打はともに鋭い当たりのライト前で、バットが変わっても実力者らしい結果を残した。
主将としてチームを引っ張る松本は、「秋は3回戦で負けてしまって、その悔しさを持って長い冬を越してきました。絶対に春の近畿大会で優勝して、夏の甲子園につなげられるように全員で全力でやっていきたいと思います」と今大会の抱負を語ってくれた。
新監督の船出としては上々の内容と言っていいだろう。昨夏に敗れた高田商と対戦する次戦ではどんな戦いを見せてくれるだろうか。
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