試合レポート

【春季千葉大会】専大松戸・梅澤翔大がサヨナラのピンチを防ぐ好リリーフで8強!持丸監督は「エースに成長した」と称賛!

2024.04.28


勝利に歓喜する梅澤 翔大投手

【トーナメント表】春季千葉県大会 結果一覧

初戦で木更津総合との延長10回のタイブレークを制した専大松戸千葉明徳相手にも苦戦を強いられた。

1対1で迎えた3回表、4番清水 友惺外野手(3年)の2点適時打で3対1と勝ち越しに成功した。投げては2回途中から林 将斗投手(3年)が好リリーフ。130キロ後半の速球、120キロ後半のスライダーを投げ分け、千葉明徳打線を抑えていく。しかし8回裏、千葉明徳の反撃に遭い、6番沖吉 祐雅内野手(3年)の適時打と敵失で逆転を許す。

9回表、専大松戸は二死2、3塁から7番山本 誠翔内野手(2年)がセンターの頭を超える適時二塁打で、5対4と勝ち越したが、9回裏、千葉明徳の3番深谷 俊介内野手(3年)の適時三塁打で同点に追いつかれ、勝利まであと1死まで迫っていた林はこの場面で降板した。持丸 修一監督は追いつかれるまでエースの梅澤 翔大投手(3年)を投入しなかった。
「良くなっているけど、彼が成長するには修羅場をくぐり抜けることが必要。9回もかなりきつかったと思いますが、乗り越えて欲しい思いで投げさせました」
接戦の場面で、その試合に勝つだけではなく、夏で活躍出来る選手になるために起用を行っていた。

試合は延長戦へ。延長11回表、二死2、3塁の場面で5番水谷 南音内野手(3年)の左前2点適時打で5対3とする。
9回裏の二死からリリーフする梅澤 翔大投手(3年)が2.1回を投げ、4奪三振の快投で粘る千葉明徳打線を抑え、2試合連続のタイブレークを制した。梅澤の投球に「これがエースです」と称えた。
「エースは先発もやって、クローザーもやって、抑えることが仕事なんだよと。投手は多くいても、その役割をこなせるのはチームに1人しかいないんです」
こう話しながらも、専大松戸はどの年代においても必ず複数投手制を敷いている。無理はさせない。

しかし、接戦で頼れるのはエースしかいない。時間をかけて、投手育成を行い、ゲームで試しながら、エースに育て上げる持丸監督の手腕が光った。
梅澤はその心得を教わっただけではなく、フォーム変更もハマってきたようだ。
「以前はテークバックが背中側に入る癖があって負担があり、コントロールもみだしていたので、少し短くして投げていました。この半年でようやく感覚がハマってコントロールも身についてきたと思います」

体全体を使って投げる躍動感あふれるフォームから繰り出す常時140キロ前半の速球は伸びがあり、スライダーのキレも素晴らしく、千葉明徳打線を完璧に封じていた。
「負けゲームの中で、しのいで勝てたのは大きい。チームが成長できるゲーム」と持丸監督が評したように、特にリリーフの林、梅澤の自信を深める試合だったに違いない。また9回に底力を発揮した野手陣も見事だった。

敗れた千葉明徳も12安打を記録。1番から9番まで全力で振り切るスタイルは恐怖感があり、打球も鋭かった。岡野賢太郎監督は「冬場は打力強化に力を注いできたので、専大松戸さんにこのゲームができたのは収穫でした。その打線をどうつなぐのかというのは春には間に合わず、それが出た試合でした。夏へ向けてそこを課題にしてやっていきます」
打力のレベルアップに手応えを感じたが、より繋がれば、更に怖い打線となるだろう。138キロ左腕・尼形 知樹投手(3年)の投球も光るものがあった。この夏は十分に上位進出が期待出来るチームになるのではないか。

勝利を喜び合う専大松戸バッテリー

【トーナメント表】春季千葉県大会 結果一覧

<関連記事>
【春季千葉県大会】中央学院が好投手を攻略し、逆転でベスト8進出!強豪続きの連戦で見せる「センバツベスト4の自信」
【一覧】千葉県 注目選手
波乱の春季千葉大会!木更津総合、習志野、市立船橋、成田の強豪が夏ノーシードに回る事態に!
【春季千葉大会展望】近年の千葉をリードする専大松戸、木更津総合が同ブロックに! 注目ブロック、キーマンを徹底紹介

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

1 Comment

  1. 桐原幹和

    2024-04-28 at 10:34 AM

    あの熱い甲子園でまた君達に会いたい。頑張れ専松ナイン!

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.04

5日に新潟大会が開幕!帝京長岡と日本文理の対戦相手が決まる【2024夏の甲子園】

2024.07.03

2度目の3連覇を目指す九州国際大付をはじめ、シードの久留米商、真颯館、沖学園も初戦に挑む、4日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!