News

198センチ左腕・藤田琉生(東海大相模)が高校生No.1左腕になるための課題は?<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.24


藤田 琉生(東海大相模)

この春、注目度が上がった198センチ左腕・藤田 琉生投手(東海大相模)。春季神奈川県大会では桐蔭学園に完封、横浜に完投勝利をあげた。関東大会では専大松戸に6回2失点の力投を見せ、昨秋から急成長を見せている。今回は高卒プロ入りするための課題を考えていきたい。

この春のストレートは130キロ後半〜140キロ前半で最速は144キロ。ドラフト候補に挙がる左腕としては突出したものではないが、藤田の大きな武器は長身を生かした角度だ。遠くへ飛ばすのは難しく、打たれた長打は少なかった。このフォームはバレーボールで培った。スパイクを打つ練習を行ったところ、今のフォームが自然とできるようになったという。

球質は申し分ないが、もう少しストレートの球速が上がれば、スカウトの評価はより高くなるだろう。過去にプロ入りした左腕と比較すると、今年、ブレイクの兆しが見える192センチの羽田 慎之介投手(八王子-西武)は春の時点で149キロ。東海大相模の先輩・小笠原 慎之介投手(中日)も149キロをマークしていた。夏までに出力向上を期待したい。

変化球は120キロ前半のチェンジアップ、110キロ前後のカーブが中心。基本的に縦変化で勝負。以前はスライダーを投げていたが、投げる際に手首が寝てしまうのと、横振りになってしまうことから、封印をした。高校生としてはキレは悪くないが、空振りが奪えるまでの精度を求めたい。

長身投手は細かな制球に欠けたり、調子の波が大きいところはあるが、藤田はいつでも試合を作れる能力がある。激戦区・神奈川で勝ち抜くには必要不可欠の能力であり、厳しい環境で培ったものといえるだろう。他の長身投手にはない武器である。牽制は巧みで、クイック、フィールディング、ベースカバーの意識も悪くないが、まだまだ練習する必要があるだろう。

角度のある球質は魅力的だが、もっとスケールの大きいストレートを投げて欲しい。今年の高校生左腕の候補を見ると、147キロ左腕・洗平 比呂投手(八戸学院光星)、最速147キロ左腕・高橋 幸佑投手(北照)、144キロ左腕・金渕 光希投手(八戸工大一)などがいるが、全体的に不足しているだけに、藤田はこの夏までにさらに成長すれば、同世代に一歩リードできる存在となる。高校生No.1左腕と呼ばれる存在になれるか注目していきたい。

<関連記事>
◇198センチの大型左腕・藤田 琉生投手(東海大相模)は苦しみながらも6回2失点の粘投!バレーボールがルーツの豪快フォームで今年のNo.1左腕へ!【春季関東大会逸材分析】
◇【春季関東大会注目投手一覧】
◇【春季関東大会注目野手一覧】
◇【一覧】ドラフト候補リスト・春季大会最新版

 

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.28

ノーシードのダークホース本命?!翔凜がノーサインで大躍進を狙う!

2024.06.28

高知と明徳義塾の一騎打ち!29日に高知抽選会!【2024年夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!