Interview

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.04


安井渉監督(国分中央)

昨今、鹿児島県内で着実に結果を残し、虎視眈々と頂点を狙っているのが国分中央だ。昨年の秋季大会では、準々決勝で神村学園に敗れるもベスト8進出。春季大会でも、準々決勝で鹿児島実に0対2で惜敗するも、安定した勝ち上がりをみせている。

そんな国分中央には、『全力疾走・最大発声・真剣勝負』というモットーがある。
その歴史を紐解くと、『全力疾走・最大発声』は下村幸太郎前々監督が作り、そして『真剣勝負』は、床次隆志前監督が付け加えたものになる。
脈々と引き継がれる国分中央のモットーが、チームにどのような影響を与えているか。国分中央の伝統と今に迫りたい。

安井渉監督は、このモットーこそが、チームの一体感を強化する要素であると語る。
「全力疾走・最大発声・真剣勝負。これだけは絶対にやろうねと選手と話していることなので、それがチームにも浸透して、この言葉のもと、チームもまとまっている感じですね」

主将の東田 誠矢(3年)は、この伝統について、「他のチームに負けないものが、『全力疾走・最大発声・真剣勝負』です。何事も全力ですることは、他のチームに負けないと思っています。また、今年のテーマでもあるんですが、『誰かのために全力で』っていうのは、ずっと毎日練習の中で言うようにしています」と語る。

同じくマネージャーの中馬あめり(3年)は、「日本一の高校生集団を意識し、野球以外でも一人の高校生として一人一人がお互いに高めあっています」と話す。
もう一人の3年生のマネージャー東祐来(3年)も、「国分中央のアピールポイントは、みんな仲が良く、全力で何事にも取り組み、誰かのために全力で野球をするというところです」と述べ、チームのモットーが部員たちに浸透しているのが伝わる。

そして、その共通のモットーの下、選手が自身で考え、練習中も甘えることなく指摘しあえるチームとなった。安井監督は、今年の4月に国分中央の監督に就任したばかりだが、選手たちが自主的に動く姿勢をすぐに感じたという。
「チーム内での指摘や、練習中のプレッシャーのかけ方は、他チームにはないような雰囲気だなと感じます。(選手同士)お互いに指摘をし合い、自分たちでパーって集合して『今のは、こうじゃない』とか、僕らが指示しなくても自分たちで話し合っている場面は多いです。特に守備に関しての意識は高いと感じます」

キャプテンの東田はチームについてこう語る。
「自分たちが1年生の頃から選手同士でチームをつくる、練習の中で先生が何も言わないぐらいのレベルで練習をすることを意識してきました。ミス1つに対しても全員で厳しく言っています。先生たちが言わなくても自分たちでできるっていうのが強みだと思っています」
さらに、4月に就任した安井監督については、「安井先生は自分たちのことを考えて、自主練とかも最後まで残ってくれたり、必死に自分たちと向き合ってくれます。言葉じゃなくて、行動で示してくれます。先生と一緒に頑張りたいなと感じています」と話す。

安井監督の指導の下、選手たちは日々成長を続けている。伝統ある国分中央と安井監督が、今後どのような化学反応を起こしていくのか、目が離せない。

東田誠矢キャプテン(国分中央)

<関連記事はこちら>
◆【鹿児島NHK旗決勝レポート】神村学園が2年生バッテリーの活躍で優勝
◆【鹿児島NHK旗結果一覧】神村学園が2連覇!鹿屋農を下す
◆【トーナメント表】春季鹿児島県大会 結果一覧
◆【野球部訪問】鳥栖工「仮面ライダー兄弟」の弟が驚異の2400回転ストレートで再び聖地へ!
◆【野球部訪問】鳥栖工は「練習の虫」のキャプテンの元で2年連続聖地を目指す

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.24

2連覇ならず…浦和学院、頼みの投手陣が崩れ、春日部共栄に逆転負け

2024.07.25

【ポニー】春夏連覇を阻止して初優勝!筑後リバーズが夏の日本一に輝く

2024.07.24

帝京単打攻勢で淑徳を圧倒!伏線になったのは「春の本塁打量産」【24年夏・東東京大会】

2024.07.24

関東一 春のリベンジを果たし準決勝進出!修徳の荒井監督はこの夏で監督を退任【24年夏・東東京大会】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」