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大阪桐蔭&履正社撃破の原動力! 超高校級遊撃手・今坂 幸暉(大阪学院大高)のドラフト指名はあるのか!?<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.06.06


今坂 幸暉(大阪学院大高)

全国トップレベルのショートとして評価される今坂 幸暉内野手(大阪学院大高)。昨夏の大阪大会で10打数7安打、1本塁打7打点の活躍で密かに注目を集めた。最終学年では多数の球団スカウトが視察する中、大阪桐蔭履正社を破る原動力となり、注目度は急上昇した。今回はそんな今坂の攻守に近畿大会のプレーから迫っていきたい。

まず打撃フォームの流れを説明すると、右足を開いたオープンスタンスで構えていき、バットのヘッドを投手方向へ大きく傾けて構えている。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、右足をしっかりと上げてからまっすぐ踏み込んで打ちにいく。トップの動きを見るとまっすぐ引いて振り出すため、振り遅れはない。スイング軌道を見るとボールの下を叩くようにアッパー気味で振る。スイングスピードは非常に速く、軸のブレも小さい。捉える打球は非常に強い。ボールの見方もよく、コンタクト力が高い。
気になるのは、予備動作が多いため、ロスが大きく、槙野 遥斗投手(須磨翔風)の速球にワンテンポ遅れ、ファウルが多かった。そのため今坂は第2打席以降からアッパー気味からダウン気味のスイングに修正して投手に合わせていた。一打席ごとに修正を重ねられるのは良い点である。高打率を残しながら、三振が少ないのも理解できる。

守備の動きはかなり良い。一番目についたのは捕球してから送球に入るまでの持ち替えが非常に速いこと。関東の好ショートと比較しても、速い。スピード感があり、スローイングの強さも非凡なものがあり、深い位置からでも鋭い送球ができており、守備力は前評判通り超高校級だ。須磨翔風戦では5度の守備機会で無失策に抑えた。

今坂は「冬場に持ち替えの練習をずっとやってきました。そしてスローイングも力任せで投げていたところを、自分のリズムで投げられるようになり、それほど力を入れなくても強いスローイングができるようになりました。守備面では練習の成果が出せたと思います」と振り返った。

打撃はやや癖がありながら、修正能力が高いアベレージヒッター。守備はスローイング能力、持ち替えの早さを含め、一級品。ドラフト候補に挙がるショートと比較しても守備面でリードしている。また、打撃も対応力が高く、一打席ごとの工夫がフォーム、準備の仕方からも感じられ、試合数が多くなるリーグ戦で持ち味を発揮出来るタイプではないか。今でも十分に本指名クラスに入る逸材だと思うが、夏では上位に進出して好投手から文句なしのパフォーマンスを見せて、さらに評価を高めることを期待したい。

今坂 幸暉(いまさか・ともき)内野手
右投げ左打ち
苅田ボーイズ出身
178センチ80キロ

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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