帝京・関東一・二松学舎のBIG3は準決勝まで対戦なし! 帝京は堀越ら伝統校、関東一は修徳、二松学舎は岩倉との対戦が予想、序盤戦がカギを握る【2024夏 東東京大会展望】
高橋 徹平(関東一)・奈良 飛雄馬(帝京)・片井 海斗(二松学舎大附)
【トーナメント表】夏季東東京大会 組み合わせ一覧
東西東京大会の組み合わせが決まった。東京が東西2代表になって今年で50年。甲子園への道が広がったことで、東京の高校野球全体のレベルが上がった。そのことを物語るように、今年は東西ともにノーシードの強豪がおり、混戦模様。春、帝京が優勝した東東京を展望する。
関東一、修徳に春のリベンジなるか⁉
東東京大会で最大の注目点は、ノーシードになった二松学舎大附の対戦だ。関東一とは準決勝、帝京とは決勝戦まで当たらないので、東東京のビッグ3は散らばったことになる。とはいえ、対戦校は決して侮れない。
二松学舎大附は東京を代表する強打者・片井 海斗を中心に攻守に充実。ノーシードながら優勝候補に挙げられる。初戦の相手は都立雪谷が有力だ。雪谷は中心投手の亀田 修一が昨夏を経験している都立の強豪だ。雪谷に勝てば、シード校の岩倉との対戦になる。昨夏はエースで主将の大野 巧成(現中央学院大)の活躍で旋風を起こした岩倉だが、今年は2年生エースの上原 慶大を盛り立て、全員野球で粘り強い野球をする。昨年もノーシードだった二松学舎大附は、3回戦でシード校の堀越に敗れただけに、最初の関門となる。
3回戦を突破すれば、4回戦、5回戦で対戦の可能性があるチームに東京成徳大高、駿台学園などの有力校が入っているが、準々決勝までは、順当に勝ち進むのではないか。二松学舎大附もしくは岩倉が準々決勝で対戦するのは、明大中野がシードされているブロックだ。明大中野は横手投げの佐伯 魁栄、度胸のいい2年生の田中 俐希の2本柱が安定。春季都大会では早稲田実を破っている。明大中野にとって最初の関門になりそうなのが、東亜学園または郁文館との対戦が予想される4回戦だ。東亜学園は昨夏の準優勝校。秋は1次予選で敗れたものの、松本 秀太主将など、昨夏の悔しさを知るメンバーが奮起し、戦力を高めている。郁文館には若林 力丸、玉川 元太という注目の強打者がいる。また勝者が5回戦で対戦するブロックには東海大高輪台がいる。仮に二松学舎大附と明大中野が準々決勝で戦ったとすれば、戦力的には二松学舎大附が上回っている。しかし明大中野も、春の早稲田実戦でみせたように、佐伯、田中の投手陣を中心にしっかり守る野球をすれば勝機もみえてくる。二松学舎大附は秋も春も相手ペースになった時に脆さが出ただけに、片井 海斗、五十嵐 将斗といった中心打者が、いかに試合の流れを作るかがカギとなる。
二松学舎大附、岩倉、明大中野などのブロックの勝者が準決勝で対戦するゾーンには、大森学園、錦城学園、都立小山台、成立学園などの有力校がいるが、準々決勝は関東一と修徳の対戦になる可能性が高い。
センバツ出場の関東一は戦力が充実。優勝候補に挙げられるが、春季都大会の4回戦で修徳と対戦し、飯山 大夢に7安打で完封され、敗れている。関東一は当然リベンジに燃えるので、修徳としては厳しい戦いになる。しかし修徳にすれば、長年勝てなかった関東一を破た自信は大きい。春の対戦で打ってなかった染田 棟煌、逢坂 拓未といった中心打者の奮起がカギとなる。いずれにしても、東東京大会の行方を占う、大一番になることは確かだ。