一人の整骨院院長がハンデを背負う鹿児島の離島野球部を支えていた!部員一人一人をオンライン指導「島の強みにしたい」
尾堂学さんによるオンライン指導
6月22日、第106回全国高等学校野球選手権鹿児島大会の抽選会が行われる。
春ベスト8の大島、秋ベスト16ながら、2回戦で樟南を破った徳之島、沖永良部の陸上部など、県内の大会で健闘を見せる離島チームの身体のケアやトレーニング指導に携わるのが鹿児島市で尾堂鍼灸整骨院の院長を務める尾堂学さんだ。日頃は大会で来鹿した際に選手たちが治療院に訪問するか、尾堂さんが定期的に島を訪れた際に直接指導する。
近年では動画や電話のやり取りで日常的に情報共有するだけでなく、オンライン技術を駆使した直接指導にも意欲的に取り組んでいる。
6月は徳之島の野球部が初めてオンラインで指導を受け、夏の大会を前にしてパフォーマンスの向上やケガをしにくい身体作りへの意識を高めていた。
パソコンと大画面のモニター、スマートフォンのビデオ通話を通じて、尾堂さんが部員1人1人の動きをチェック。この日、重点的に伝えていたのは、身体の軸を整え、股関節をしっかり使って、自分の正しい動きを覚えることだった。
バットを振る、ボールを投げる、野球の基本動作の前に軸を整え、股関節を使えるようになるドリルを教える。教える前後でパフォーマンスの違いを直接見ている地頭所眞人監督と尾堂さんとで確認しながら、1人1人にアドバイスしていく。
身体の仕組みを理解し、正しい動きができればパフォーマンスも向上し、ケガをしにくくなる。勝 亮翔主将(3年)は「きょう習ったことを、しっかりと野球の動きにつなげていけるよう、日頃から意識して取り組みたい」と感想を話す。直接身体に触れる指導ではないが「余計な情報が少ないので、一度つかんだら離さない。島の強みにしたい」と地頭所監督は言う。尾堂さんは「自分自身の身体のことを把握し、自立して維持管理できるようになることが大事。いろんな知識を提供、アドバイスすることで鹿児島と離島の距離のハンディーを克服してもらえれば」と期待していた。
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