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「この人の下で野球はできない」オリックス暗黒時代に引退した外野手の回想、不可解な二軍落ちにチームメイトも猛抗議、しかし……

2024.06.27


平下 晃司氏

「『この人のもとで仕事したい』と思うことが僕のモチベーション。改めてそれに気づいたのがオリックス時代でした」
プロ野球界も、一般社会同様、人間関係が大切だ。指導者と選手の信頼関係が崩れるとチームは回らなくなる。

平下 晃司氏(46)が07年~08年に在籍したオリックス時代を振り返る。
(*は編集部注釈)

<これまでの記事を読む>
◆平下氏が語る野村監督時代「突然サッチーに呼び出されて……」
◆「どうしたら一軍にいられますか?」阪神外野手の必死の問いかけに、闘将・星野仙一が放った衝撃の一言…「めちゃくちゃ気持ちが楽になった」
◆伝説の近鉄“いてまえ打線”の真実…超強力打線を支えた中村紀洋、タフィ・ローズが試合中に行っていたベンチ裏での作戦会議
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◆「僕には合わない部分があった」バレンタイン監督時代のロッテは選手ファーストを“やりすぎ”て……練習はたった30分、試合前に家族と食事も

ホームラン打って二軍落ち

移籍してすぐに「オリックスから求められて、トレードされたのではないな」と分かりました。ロッテが吉井理人さんをほしかったから実現したトレードでした(*07年シーズン中、平下氏と吉井の1対1のトレードが行われた)。「平下を関西に戻してあげてよ」みたいな話になって、僕が移籍することになったんです。

それまで僕は阪神、ロッテと移籍してきましたが、初日の扱いが違いました。阪神ではキャンプ初日からAチームの打撃練習に入ることができましたし、シーズン途中移籍となったロッテではすでに背番号が用意されていて、すぐに一軍でした。
オリックスでは「ファームで成績残したら呼ぶから」といわれて期待されていないことはすぐ分かりました。

オリックスの1年目が終わって、2年目の2008年、監督はテリー・コリンズ。京セラドームで行われた横浜ベイスターズとのオープン戦(3月9日)で僕は2ラン本塁打を打って活躍することができました。

しかし、試合後にヘッドコーチの大石(大二郎)さんに呼ばれてこんなことを告げられました。
「明日から二軍に行ってくれ」

僕が「それは納得できない」と言うと、大石さんもこう言ってくれました。
「オレもそう思っている。だけど監督が言うんだから、しゃあないやろ」

僕は監督室に向かい、コリンズに抗議しました。
「結果出したのに、どういうことや」
コリンズは英語で話し始め、通訳がしどろもどろに訳します。
「結果は出しているから……(二軍に落としても)すぐ呼ぶから」
「すぐ、というのはどういうことですか?開幕までに戻れるんですか?」
「いや……開幕には戻れない」
なんのために結果を出したのか分からないですよね。

次のページ:ローズとラロッカが僕のために立ち上がった/「この人の下では野球をやりたくない」

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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