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「僕には合わない部分があった」バレンタイン監督時代のロッテは選手ファーストを“やりすぎ”て……練習はたった30分、試合前に家族と食事も

2024.06.27


平下 晃司氏

ある日、クラブハウスに妻と子供が!?

現場とフロントとの風通しも良かったです。ある試合後、ロッカーに瀬戸山 隆三会長がなぜかいて、声を掛けてきたことがあるんです。
「平下くん、頑張ってくれているね。なにか不満はない?」
僕は瀬戸山さんのことをあまり知らなかったので、最初は営業の人が来たかなと思ったんですが(笑)、あとから会長だと知って驚きました。ボビー主導なのか、球団主導なのかは分かりませんが、ロッテは選手にとってやりやすい環境を積極的に整える球団でした。

また、クラブハウスでは、試合前に家族と一緒にご飯を食べることもできました。ある日クラブハウスに嫁と子供がいて驚きましたね(笑)。周りを見渡すと、ほかのチームメイトの家族もいたんですよ。
私は勝負の世界には緊張感を持って試合に臨みたいというタイプ。だから家族がいることで気持ちが緩んでしまった。あれは合いませんでしたね。

当時のロッテが、最も選手ファーストな球団だったことは間違いありません。ただ私にとってこれまでやってきた世界とは正反対過ぎる環境でした。
<次回:『「この人の下で野球はできない」オリックス暗黒時代に引退した外野手の回想、不可解な二軍落ちにチームメイトも猛抗議、しかし……』に続く>

平下 晃司(ひらした・こうじ)
宮﨑・日南学園時代は左の強打者として活躍し、1995年に選抜、夏の甲子園出場を経験。同年、近鉄バファローズから5位指名を受け96年から00年の4年間プレー。トレードで阪神に移籍し(01年から04年途中)、その後ロッテ、オリックスを経て07年に引退。現在は東大阪市にある「ブリスフィールド東大阪 スポーツアカデミー」のベースボールスクールのヘッドコーチを務めながら、東大阪長田ボーイスの監督を務めている。

<これまでの記事を読む>
◆平下氏が語る野村監督時代「突然サッチーに呼び出されて……」
◆「どうしたら一軍にいられますか?」阪神外野手の必死の問いかけに、闘将・星野仙一が放った衝撃の一言…「めちゃくちゃ気持ちが楽になった」
◆伝説の近鉄“いてまえ打線”の真実…超強力打線を支えた中村紀洋、タフィ・ローズが試合中に行っていたベンチ裏での作戦会議
◆「お前ストーカーか?」学校サボって見に行ったキャンプで天才・前田智徳に声を掛けられて……元阪神「F1セブン」戦士が語る猛練習の高校時代

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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