「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】
磐田南の練習風景
2024年度の第106回全国高校野球選手権静岡大会の組み合わせが22日に決定した。毎年甲子園出場校が異なる群雄割拠の静岡県で今年の夏に注目したいのが静岡県立磐田南高校だ。今年の春の大会では地区予選の一回戦で掛川西高校に敗退ながらも、練習試合では強豪の常葉大菊川高校、静岡高校を破った経験がある。今年の夏にダークホースになり得る可能性のあるチームだ。
そんな磐田南高校の野球部を紹介していきたい。
【トーナメント表】夏の静岡県大会 組み合わせ
静岡県の人ならば磐田南高校のイメージは野球よりも「県内有数の進学校」であるだろう。東京大学や京都大学、その他いくつもの難関大学への進学実績、県内トップクラスの偏差値で、2024年度には静岡県内で一番高い倍率となった理数科の存在、高校にしてアメリカの高校と姉妹提携をしておりグローバルな交流を体験できることなどほかの学校にはない様々な魅力がある。
野球部に力を入れるために数年前から静岡県特有のスポーツを使って受験できる裁量枠入試制度を導入しているが、裁量枠制度を使うにしても中学時代の内申点が5段階中オール4以上且つ本番試験で点数を取ることが必要である。また高校として「文武両道」を掲げており、近年の野球部からも京都大学や大阪大学、医学部へと卒業生を送り出している。
野球部は2015年夏にベスト4入り、それ以降も複数回の16強入りと、近年、成績を残している学校である。そんな磐田南の野球部は今年変革を迎えている。今年の4月から本校OBの磯部監督が就任したのだ。そんな新体制となった磐田南高校の現状に迫った。
学校、地域に好かれる野球部
磐田南高校は入学すると5月ごろから週に一回程度の1年生全体の野球応援練習が始まる。さらに各クラスから応援委員を決め、応援団が設立される。これらを筆頭に学校が野球部を応援してくれる風潮がとてもつよい学校である。
選手たちも「応援練習などの行事であったり、大会があるごとに同級生や先生方は結果を気にしてくれますし、応援してくれる声も本当に多くてすごくありがたく思っていますし、毎年夏の大会には吹奏楽部や応援団をはじめとした先生や野球部以外の生徒もたくさん球場に駆けつけてくれるので、応援してもらえているなというのは毎年すごく感じます」と感謝を述べている。
またオフシーズンには地域の少年野球チームとの交流、一昨年の中京大中京、昨年の健大高崎を招待して行った試合では球場が満員になるほど地域の方々やOBが観戦に来るなど非常に地域からも応援されているチームである。
ここでも選手は「去年、一昨年の招待試合は勿論ですし、毎年夏の大会や春の大会などでも本当に多くの地域の方々が球場に来てくれたり、応援してもらえているなと感じることはたくさんありますし、力をもらっているなと感じることもたくさんあります。
実際に招待試合の際は選手たちが地元のお店を手分けして回って、宣伝のためのポスターを飾ってもらうように交渉したりなど、直接的に交流する機会もあり、前以上に応援してもらえていると感じています」と感謝を述べた。