Interview

豪快ホームランがSNSで話題! 千葉に現れた“体重139キロスラッガー”は、「パワーも食事も超ド級」!

2024.07.12



『千葉に怪物出現!』『ドカベン?』————。

この春、SNSを騒がせた高校球児がいる。千葉・行徳水竹 颯内野手(3年)だ。

身長184センチ、体重は139キロ。大相撲の霧島(186センチ・141キロ)とほぼ同サイズの野球選手である。

水竹が話題を呼んだのは、今春の県大会1回戦・四街道戦のこと。この試合で水竹は2打席連続本塁打を放ったのだが、その本塁打が驚くほど豪快だったのだ。軽々とバットを振ると、美しくも鋭い打球がレフトスタンドに吸い込まれていったのである。この映像はたちまちSNSで拡散され、一気に“水竹ファン”が現れることとなった。

彼はこの盛り上がりをどう感じているのか。そして最後の夏をどう迎えようとしているのか。

ダッシュの練習に励む水竹

取材中も「お腹が空いた」

「話題になったのは、素直に嬉しかったです。ここまで注目されるのかという驚きもありましたし、最初はプレッシャーを感じました」

水竹は語る。

行徳の練習場に足を運ぶと、すぐに水竹の姿は目についた。二回りは小さい同級生たちとグラウンド整備を行っていた。

現在の139キロは7キロのダイエットの成果だという。以前は大好物の「サーモンの握り」を42皿平らげるなどしていたが、最近は朝6時半からランニングを行うなどして夏に向けて体を絞ってきたという。

「目標として、130キロまでは減らしたいですけど…厳しいですね。やっぱり食べちゃうので(笑)。いま朝はどんぶり2杯、夜は3杯、昼の弁当はお米2合くらいですけど、足りなくて…(笑)。でも学校の購買部で食べ物を買うのは我慢しています!」

人懐っこい笑顔で話す水竹。

「正直、いまもお腹空いています……」

なんとも明るいキャラクターである。

「他の選手とは飛距離が違った」

水竹が野球を始めたのは小学校3年生の頃。地元の軟式チーム「ホワイトイーグルス」が人手不足となり、助っ人として参加したのがきっかけだ。

浦安中学入学時には既に168センチ、104キロまで成長。「動かないと痩せない」と運動部入部を模索する中、家族からは柔道などほかの競技も進められたが、“野球愛”は変わらなかった。「ほかの選手とは打球の飛距離も違った」(水竹)という長打力を武器に“代打の切り札”として活躍していたという。

高校は中学から徒歩で20分もしない行徳に進学。2年間見守った吉田 晃監督は、彼の成長に目を細める。

「高校2年の春から段々と伸びてきました。飛ばないと言われる新基準のバットも関係なく飛ばしています」

水竹自身も行徳で過ごした2年半、たしかな成長を感じている。

「圧倒的にバットにボールが当たるようになりました。体の内側からスイングをするインサイドアウトの練習を中学時代からしてきましたが、高校に入って『バットのエンドグリップをボール向けて打つこと』、『45度にバットを振ること』を教わってさらによくなりました」

水竹の高校通算本塁打は11本だが、今年に入ってからが6本。急成長がうかがえる。冒頭で記した春季大会の本塁打も、インコース高めに浮いた球をコンパクトに仕留めたもの。日頃の練習の成果が出た活躍だった。

桁違いのパワーが自慢

固定ページ: 1 2 3 4

この記事の執筆者: 塩澤 風太

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.08.02

U-18代表候補右腕がプロ志望宣言!徳島大会決勝で散るもスカウトの評価変わらず「また練習を見たい」

2024.08.02

明徳義塾、記録ラッシュの夏になるか!? 高知県No.1勝利数や県勢100勝に王手!【2024甲子園豆知識】

2024.08.02

愛知の秋季高校野球、名古屋地区1次予選の組み合わせ決定!名古屋たちばなはシード

2024.08.02

強豪に番狂わせを演じて甲子園の切符獲得! 「ジャイキリ3校」に注目だ【2024夏豆知識】

2024.08.02

24年秋季の愛知高校野球、西三河地区の組み合わせが決定!三好、愛知産大三河、岡崎工科、杜若がシード

2024.07.31

甲子園を逃した“超高校級”逸材リスト 超進学校に現れた二刀流、サイクルヒットの名門校捕手、佐々木朗希二世らが聖地を踏めず

2024.07.30

【24年夏の甲子園49代表】最多出場は早稲田実業の30度目、初出場は5校、最大ブランクは32年ぶりの大社、公立校は12校、常連も新鋭も多彩な顔ぶれ

2024.07.31

2024年夏の甲子園「地方大会勝ち上がり表付き」全49代表一覧

2024.07.31

決勝戦完封の世代NO.1右腕、センバツから覚醒した152キロ右腕などこの夏で評価を上げた超高校生投手13選!

2024.07.30

花咲徳栄、秋・春・夏で県内無敗達成! タイブレークで見せた”真骨頂”【24年夏・埼玉大会】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.09

下町の実力都立校・紅葉川が“本拠地”で初戦突破!エース8安打を浴びながらも完封勝ち【24年夏・東東京大会】