身延vs増穂商
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松永勇輝(身延)
地元高校を愛した一年生の快投
身延高校には県内で注目を集めた1年生が複数入部している。その中でも何人かは既にベンチ入りを果たしている。
その中に一人、県内外から注目を集めた選手がいる。背番号18松永勇輝投手だ。既に甲府第一高校との初戦でデビューを果たしている。
この日は先発のマウンドへ。対するのは増穂商業。昨秋は東海大甲府にコールドで惨敗している。
しかし内容的には誉められる部分が多く、少なくとも着実に増穂商業の選手達はステップアップを続けている。
同じ南巨摩地区同士の対決となった。
身延松永は初回から安定感抜群の投球を披露する。
バックネット裏には平日にも関わらず松永みたさに球場へ足を運んだファンが何人か見受けられる。速球は130弱ー125km前後をコントロール良く操り、球の力もさることながら制球力が素晴らしくストライクを先行させていく。 初回にヒットは打たれたものの毎回奪三振を奪い3回には2者連続三振。
代打を送られ交代することになったが、3回の任されたイニングは危なげ無く完璧に近いマウンドだった。
3回に[stadium]小瀬球場[/stadium]のスピードガン表示で133kmを記録した。
身延は1回に3点、2回に4番小池のセンターオーバー2塁打で2点を取り0-5とリードする。
その後も増穂商業エースの竹ノ内君攻め立てるが要所を押さえられ0が並ぶ。
竹ノ内は大きな身体から落差の大きいカーブを巧みに使い身延打線を抑える。
しかし6回、身延は先頭の代打増井のセンター前ヒット。続く代打の背番号1 疋田勇輔の連続ヒットと四球でノーアウト満塁のチャンス。 竹ノ内もなんとか踏ん張り1死を取るがここで背番号11 三森に交代。 しかし交代直後の初球を身延高校3番 望月にレフトへはじき返され2点を追加される。
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後藤(身延)
試合後身延高校先発の松永投手に話を伺った。
「本当に、偶々です」と謙虚にはにかんだ笑顔を浮かべた。 身延を選んだ理由を尋ねたところ
「地元の皆さんが応援してくれる地元の身延で野球がしたかったんです。先輩も良い人ばかりでしたし。だから身延に決めていました」
だれか目指している選手はいますか? との問いに。
「プロ野球の選手とかじゃないんですけど・・。同じチームに疋田勇輔さんというピッチャーがいます。凄く良い先輩で、いるだけで安心するというかチームで凄い精神的な柱になっています。 そういういるだけで安心する選手になりたいです」
と、どこか幼さの残る顔立ちから、しっかりと目を見開いて喋ってくれた。
過去に望月姓の二人の投手を擁し甲子園に近づきつづあった身延。
しかし、もう一歩の所で夢で終わってしまった身延の甲子園。
その夢を地元のためにと、確実に手にしていく。それは1年生右腕の成長にかかっているのかもしれない。
(写真・文=木内 慎治)