今治西vs伯方
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4回表逆転のホームを踏み、小さくガッツポーズの野間(伯方)
想定内の苦戦、想定内の善戦
「ミスが出ることはある程度予想していました。それは僕が韓国に行っている間に打ったり守ったりの練習はしているけど、チーム戦術の練習はできていないから。やはり負けられないプレッシャーがかかった中で練習試合のようには行きませんよ」。
夏の愛媛大会1回戦・松山東戦同様の逆転勝ちを収めた試合後、「想定内の苦戦要因」を分析したのは今治西・大野康哉監督である。今治北の前に初戦敗退に終わった東予地区新人大会後は「IBAF18U世界野球選手権」日本代表チームにコーチとして帯同し、約半月に渡りチームから離れていた大野監督。
帰国後は平日ナイターで済美、丹原と練習試合を組むなど急ピッチで調整を進めたが、この試合では2失策の他にもけん制死3個、暴投4個、走塁死1個とミスが頻発。1対3のビハインドで迎えた8回裏二死一・三塁から4番・中西雄大の同点三塁打、それに続く計6得点がなければ、伯方の前に2大会連続を食らうところだった。
ただ、伯方の善戦も決して偶然ではない。例えば二塁走者を2回刺したセカンドが入るピックオフプレーは「ずっと練習していた」遊撃手・小林恭成(2年)から発信されるサインプレーによるものだ。
9回も3点を返し、なおも二死二塁の同点機まで作った彼ら。それだけに返す返すも8回の6失点が悔やまれるが、「接戦で終盤まで行かなくては勝つチャンスはない」馬越健治監督が組んだゲームプラン通りに伯方の男たちは躍動した。
このように全て想定内のうちで進んだ接戦。あとは勝った今治西がこの勝利から何を学び、敗れた伯方がこの敗戦から何を得たか。そこに今後の成長がかかっている。
(文=寺下友徳)