日体大荏原vs都立文京
日体大荏原の4番・小林、本塁打、三塁打、二塁打の活躍で都立文京を突き放す
![日体大荏原vs都立文京 | 高校野球ドットコム](/hb/images/report/tokyo/20230406002/large01.jpg)
3回に本塁打を放った日体大荏原・小林 竜弥
<春季高校野球東京都大会:日体大荏原11-6都立文京>◇8日◇3回戦◇駒沢球場
試合が始まる前に都立日野が敗れており、今大会、都立勢で残るのは都立文京のみとなった。
この試合、両チームの4番の活躍が目立ったが、特に日体大荏原の4番・小林 竜弥外野手(3年)の一発が大きく物を言った。
1回表、都立文京は4番・城 俊平内野手(3年)の二塁打などで1点を先制すると、その裏日体大荏原は1番・星 拓翔内野手(2年)の二塁打からチャンスを作り同点に追いつく。2回裏は、6番・阿部 駿樹外野手(3年)の二塁打に敵失などが絡んで日体大荏原が3点を入れる。
それでも3回表には文京の4番・城の三塁打などで3点を入れて同点に追いつく。その裏の先頭打者は日体大荏原の4番・小林。「先頭打者だったので、つないでいこうと思いました」と小林。文京はこの回から下手投げの先発・中村 健志投手(2年)に代わり、エースの峰尾 賢人投手(3年)がマウンドに上がっていたが、峰尾のストレートを振りぬくと打球は伸びて、本塁打となった。小林にとっては、高校に入って初の本塁打だそうだ。
この一発だけなら文京にとっての痛手は、それほど大きくなかったかもしれない。しかし続く5番・国府田 悠真内野手(3年)、6番・阿部が連打し、8番・梅田 柊斗捕手(2年)の左犠飛で1点を追加したのが、日体大荏原には大きく、文京には痛手であった。
日体大荏原は4回裏には4番・小林が今度は三塁打を放ち1点を追加する。さらに5回にも日体大荏原は1点を追加した。6回裏は4番・小林の二塁打を皮切りに、9番・鈴木 然内野手(2年)の二塁打などで3点を追加する。
7回表に点が入らなければ、コールドゲームになるが。この回文京は8番・中村の内野安打で出塁すると敵失もあり、1点を入れる。文京は9回にも1点を入れたが、差は開いたままで、日体大荏原が勝って4回戦進出を決めた。
日体大荏原はこの試合、背番号11の飯島 孝龍投手(3年)が先発し、8回からはエースの石井 祥太投手(3年)が登板した。飯島は「コントロールがいいので、失点が計算できます」と、日体大荏原の本橋 慶彦監督は言う。4点は失ったが、大きく崩れることはなかった。もう1人、2年生の吉田 健汰投手(2年)もおり、投手陣は3本柱で優勝を目指す。
文京は、都立校最後の砦を守ることはできなかった。それでも7回から登板した酒匂 理雄投手(2年)は、力のある球を投げており、文京の梨本 浩司監督も「収穫でした」と語る。ただ「4番の小林君に打たれたのが、大きかったです」と言う。昨年の夏は、初めてベスト8に進出し、この春も、都立校としては、都立日野とともに、3回戦に進出した。夏は再度都立旋風を期待したい。
(取材=大島 裕史)