帝京vs創価
好投の創価・土居の疲労を見逃さず一気の攻めで帝京が勝利
帝京 安藤翔
＜春季高校野球東京都大会：帝京6ー0創価＞◇23日◇準々決勝◇スリーボンドスタジアム八王子
創価の土居 賢士郎投手（2年）は、今大会好投を続け、一躍注目されるようになった。この試合でも最速は136キロを記録した。「秋はそんなに速くなかったです。冬に下半身を中心にトレーニングをしました」という成果が出ている。
一方、帝京の先発・安藤 翔投手（3年）は、3回戦では不振の投球。「決め球が上ずりました」と語る安藤。先週もBチーム相手に1イニングでノックアウトになったそうで、危機意識を持ってトレーニングに励んだ。その成果もあり、この試合では立ち上がりから好調な投球。3回に四死球2で2人の走者を出したものの、危なげない投球をした。
対する創価の土居も快調な投球。4回に安打3本を打たれたものの、三盗の失敗もあり、得点を許さない。帝京としてはもどかしい展開であるが、金田優哉監督は、「相手も強いので、よく粘ったという感じです」と語る。
帝京の粘りに、序盤から飛ばしていた創価の土居は、6回に足が吊るようになっていた。帝京はそうしたスキを逃さない。この試合2安打と当たっている4番・稲垣 渉外野手（3年）の死球に続き、5番・奈良 飛雄馬内野手（2年）も四球で1死一、二塁。ここで6番・大石 和輝外野手（3年）が二塁打を放ち帝京がまず1点を先制。「つなぐつもりで打ちました」という7番・安藤の中前安打で1点を追加したところで、創価は投手を長谷川 輝投手（2年）に交代した。
それでも帝京の攻勢は収まらず、8番・生井 澤海里捕手（3年）のスクイズが内野安打になってさらに1点を追加。1番・野村 亮太外野手（3年）、2番・奥山 悠仁内野手（2年）の連続安打に外野手の失策もあってさらに3点を追加し、この回一挙6点を挙げた。
大量リードを受けて帝京は、安藤、さらには8回からはエースの高橋 蒼人投手（3年）が登板して創価に得点を許さず6－0で帝京が、終わってみれば圧勝した。
敗れた創価は、秋は1回戦で敗れたが、春は2年生エースの土居の成長もあり、準々決勝に進出した。「いい勉強になりました」と片桐哲郎監督は言う。攻撃のつながりなどに課題は残したものの、夏も期待できる春の戦いであった。
勝った帝京は、準決勝で早稲田実業と対戦する。早稲田実業が東東京であった時代は、人気のカードであった伝統の一戦だ。金田監督は、「楽しみです」と語りながら、闘志をみせる。関東大会出場をかけた熱戦を期待したい。
（取材＝大島裕史）
