宮城県高野連監督会※文字入れ途中(保留)
宮城県高野連の監督会が2月9日、鷹泉閣岩松旅館で開催された。
事の始まりは2007年。この夏、佐賀北が甲子園で優勝したことで「全国で公立校が勝った。百崎敏克監督を呼んで話を聞きましょう」と、県全体のレベルアップを目的に、一度、途切れていた監督会が復活した。その後、準備期間を経て、昨年は智辯和歌山・高嶋仁監督を講師に招き、開催された。
2回目の開催となった今年は、硬式、軟式の監督や高野連関係者約80名が参加した。はじめに、監督会幹事長の名取北・谷藤正樹監督が「昨年度、1回目を開催しまして、今回、2回目につながりました。野球はつながりが大事なスポーツですのでつながりを大事にして発展させていければと思います。どうか先生方、この機会を利用していただきまして、チームのレベルアップ、さらには県全体のレベルアップにつなげていってもらえればと思います」と開会のことばを述べた。
続いて、宮城県高野連の遠藤和秀会長が「今日の資料を見させていただいても、去年よりも内容が充実してきているのかなと思います。この会が、年々、充実して、先生方の要求が受け入れられた形でどんどん参加者が多くなればいいなと思っております」と挨拶した。
涌谷・冨樫誠悦監督の甲子園塾報告
前日に21世紀枠センバツ出場を決めた
土佐・西内一人高知県高野連監督会会長
報告事項ではまず、甲子園塾に参加した涌谷・冨樫誠悦監督が受講報告をした。甲子園塾は昨年12月14日〜16日に2泊3日で行われ、講師は山下智茂氏(元星稜高監督)、和泉実氏(早稲田実業監督)、斎藤智也氏(聖光学院高監督)、佃省三氏(鹿児島県高野連理事長)。
冨樫監督ははじめに「私は監督になって丸3年、4年目の冬というところで指導にあたっています。なかなか選手が育たず、勝てず、というところで1つの壁に当たっているのかなというところで、心の教育が大事だとは思っているもののシーズンが始まってしまうと目先の勝負に目がいってしまって、なかなか選手が成長せず、勝ちも得られないという状況の時に甲子園塾参加のお話をいただきました。これも何かの縁と思い、参加させていただきました」と挨拶。その後、各項目について報告した。
【指導者としての基本的な考え方】
前日にセンバツ出場を決めた高知・島田達二監督(中央)
「聖光学院の斎藤先生は「組織はトップで決まる」というお話をされました。勝てばいいという人間が育ってしまうと甲子園出場が人生の悲劇になってしまうと。自分の指導力というのは(選手の)引退後の姿だと思えという話をいただきました。本を多く読んで勉強し、自分自身の器を大きくすべきということで、斎藤先生が読んでいる本を紹介していただきました。一通り読んでみましたが、やはり勉強になることばかりで人間の原理原則を考えて指導にあたるべきだと学ばせていただきました。
和泉先生は選手が「なぜ?」と考え、指導者が「なぜ?」と突きつけるということをお話しされました。監督が「なんでやっているんだ?」と聞いたときに選手が「言われたからやっています」では、ダメだと。理論を持ってやらなければならないとおっしゃっていました。」。
【部員とのコミュニケーションについて】
「斎藤先生は威厳を保つだけの叱りは若さでしかないと。和泉先生は私生活の乱れをリンクさせる。山下先生は人生を教えるんだと話されました。20代は勝てばいいと思ってやっていたが限界が来る。30代は知の時代、40代は心の時代、説得から納得の指導ができる指導者になりなさいと。そして、叱られ方を教える。今の子たちは叱られ慣れていない。「帰れ」と言われて「帰る」のは四流、「帰れ」と言われて「不貞腐れる」のは三流、「帰れ」と言われて「下を向く」のは二流、「帰れ」と言われて「ありがとうございます」と言えれば一流とおっしゃっていました」。
[page_break:不祥事件の取り扱いと防止、そして体罰について]不祥事件の取り扱いと防止、そして体罰について
[pc]
安芸・中谷真二監督による松山商業冬合宿県外視察報告
[/pc]
【不祥事件の取り扱いと防止について】(日本高野連審議委員長・西岡宏堂氏)
【体罰について】(班別討議)
「27名の先生が3班に分かれて意見交換をしました。山下先生は、勉強して後ろ姿で引っ張れる指導者になれと。そこ(資料)にですね、甲子園塾前塾長の尾藤公の言葉があります。『グラウンドは畑だ。開拓して整地し肥料と水をやり育てる。不作だと農作物に言うな。明らかに世話不足』。甲子園塾から帰ってきてから、選手のせいではなく、自分の指導力だと思い、グラウンドに立つようになりました」。
【チーム・個人用具の管理について】(山下氏)
「グラウンド、部室、トイレでチームの品格・レベルが分かる。ヤンキースの松井選手は1時間かけてグラブ・スパイクを磨いていたそうです。また、日大三の姿勢というのを山下先生は褒めていました。一昨年のAAAで優勝した時、日大三の選手たちは祝勝会の後も素振りを始めたそうです。エースの吉永選手はノースローの日にボールボーイをかって出た。こういう姿がチームの品格になるという話をされておりました」
冨樫監督は最後に「高校野球の監督とは何か、ともう1度考えるきっかけをもらいました。甲子園塾で学んだことを指導に生かして、宮城県の高校野球の発展に少しでも力になれるようがんばっていきたいと思います」とまとめ、続いて、明治神宮大会を視察した登米・千葉厚監督が壇上へ。
[page_break:登米・千葉厚監督の明治神宮大会報告]涌谷・冨樫誠悦監督の甲子園塾報告
前日に21世紀枠センバツ出場を決めた
土佐・西内一人高知県高野連監督会会長
「仙台商の下原先生、柴田農林の松木先生、岩出山の金野先生と4名で参加しました。大会の初日と2日目を視察することができ、好カードを観ることができました。
視察に行く前に明治神宮大会だからこそ見たいなと思っていたことが2つありました。1つは、監督さん方が(センバツに)明治神宮大会枠ができたこと事態をどう思って大会に参加されているのか。もう1つは延長10回になるとタイブレークで1アウト満塁、打順は自由というところからスタートするのですが、(仙台育英の佐々木)順一朗先生だったらどこから打順を使うのかなというところも興味を持って向かいました」
その後、千葉監督が試合を観て気づいたことを4点挙げた。
試合を観て気づいた4点
・快速球を投げる投手はいなかったが、130キロ台の動くボールを投げる投手が多かった。三振をとるというよりは凡打になるケースが多く、試合時間が早かった。高めのボールを活用し、フライを打たせてた。
・外野手の守備位置が想像以上に深かった。
・球場の作りからか、落球が多かった。
・パワーではなく、スピードあるチームが多かった。
<その他、高知県高野連監督会総会での報告事項>
2月11日(月・祝) 平成24年度(第22回)高知県高等学校野球連盟駅伝大会 開催
鏡川緑地公園を起点とする一周コース3km9区間 10:00開会式 10:30開始
6月9日(日)高知県高等学校野球連盟特別招待野球大会 開催
[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]
第1試合(午前) 智辯学園和歌山vs高知商業
第2試合(午後) 智辯学園和歌山vs土佐
(文・寺下 友徳)