試合レポート

東海大相模vs鎌倉学園

2019.04.27

一振りで主導権を握った遠藤の場外弾!東海大相模が3年連続の関東大会へ

東海大相模vs鎌倉学園 | 高校野球ドットコム
先制の場外スリーランを放った遠藤成(東海大相模)

 準々決勝で顔面に四球を受けた東海大相模井上恵輔は、やはり状態が良くないようで、先発マスクを被ったのは荻原義輝であった。それに伴い、打順の組み換えも見れられ、2番・遠藤成、3番・西川僚祐、4番・山村崇嘉という実に攻撃的なオーダーとなった。

 東海大相模の門馬敬治監督は、昔から攻撃的なオーダーを組む特徴があったが、今大会では2番に西川が入ることもあるなど、いつになく攻撃的な姿勢が現れていた。そしてこの試合で2番に入った遠藤も、全国的に見てもトップレベルの強打者である。「2番・西川」とはまた一味違った攻撃的なオーダーとなり、試合前から胸が躍った。

 そして、2番に入ったこの遠藤が、大仕事を果たすことになる。
 0対0で迎えた5回裏、ここまで鎌倉学園の先発・作野友哉に抑え込まれていた東海大相模は、ランナーを二人置いた場面で2番の遠藤に打席が回る。内から入ってきた変化球を振りぬくと、打球はライト場外へ消えていく高校通算37本目の特大先制スリーランとなった。
 試合は緊迫した投手戦の様相を見せていたが、遠藤のたったひと振りで東海大相模が試合の主導権を握った。

 東海大相模の先発・野口裕斗は、立ち上がりこそ制球に苦しんだが、2回以降は安定した投球を見せる。昨年の選抜甲子園では、どちらかと言えば変化球で交わすタイプの投手だったが、真っすぐを主体に出来るだけの球威を身につけて、安心して見ていられる投手になった印象だ。ヒットを許すことはあっても連打は許さず、丁寧に試合を進めていく。

 何とか追いつきたい鎌倉学園は、8回表に3番・磯崎の犠牲フライで1点を返すものの、その裏すぐに追加点を許して結局点差は3点のまま。試合は、そのまま4対1で東海大相模が勝利して決勝進出を決め、3年連続の春季関東大会進出を決めた。

 鎌倉学園は、春季大会初登板の作野が好投を見せたが、初回のチャンスで得点を奪えなかったことが大きく響く結果となった。野口が浮足立っていた初回に得点を奪うことが出来ていれば、また違った試合展開になったかもしれない。
 とは言え、作野の投球が強打の東海大相模打線にも通用すると分かったことは大きな収穫と言える。この収穫を無駄にすることなく、是非とも夏に繋げて欲しい。

(文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.30

【夏の甲子園・四国地区好カード一覧】いきなりビッグ右腕対決!?徳島では阿南光と生光学園が2回戦で対戦か!?

2024.06.30

【夏の甲子園・近畿地区好カード一覧】京都国際 vs.京都成章、市立和歌山vs.田辺! 初戦から激戦必至

2024.06.30

北海が道内29連勝!9大会連続46回目の南北海道大会出場を決める【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!