試合レポート

世田谷学園が驚愕の本塁打3発!都立練馬工科を圧倒【24年夏・西東京大会】

2024.07.12


1回先制本塁打を放った世田谷学園・海老澤遼人

<第106回全国高校野球選手権大会西東京大会:世田谷学園12-0都立練馬工科(5回コールド)>11日◇2回戦◇府中市民球場

【トーナメント表】夏の西東京大会 ここまでの結果

世田谷学園はノーシードながら実力のある学校だ。
その中心には投打の柱である石橋 泰正(3年)がいるが、この試合では石橋は温存。世田谷学園が勝ち進んでいくには、石橋以外の選手の奮起が重要なだけに、1年生の秋から4番を務める海老澤 遼人三塁手(3年)らの活躍が期待されるところだ。

この試合、1回裏一死二塁の場面で打席が回ってきた、3番打者の海老澤が、2球目をいきなりライトスタンドに叩き込む本塁打を放った。「インハイの真っ直ぐでした」と海老澤は言う。
海老澤は強打者ではあるが、本塁打より外野の間を抜くような打球が多い。実際高校通算の本塁打もこれが7本目で、多いわけではない。

成瀬智監督は、「最初は貧弱でした」と言うように、パワー不足であった。けれども海老澤は、地道にフィジカルトレーニングをしてきた。1年生のころは50キロほどしか挙がらなかったペンチプレスが、90キロまで挙がるようになった。筋力がついて、体の軸が安定することで、これまで手打ちに近かったのが、「意識の上では腹筋を中心に振るようになりました」と海老澤は言う。

低反発の新基準のバットになっても 「夏は打たないと勝てない」と成瀬監督は考え、走塁だけでなく、打線のパワーアップにも取り組んできた。その結果、この試合では海老澤以外にも、4番の坂本 勇希一塁手(2年)、市川 翔喜外野手(3年)も本塁打を放つなど、大量12点を挙げた。
投手は先発の藤原 晴翔(2年)が3イニングをパーフェクトに抑え、2番手の成瀬 哉柔(2年)も2イニングで奪三振5を記録した。

都立練馬工科としては、最終回となった5回裏に、5番・山﨑 蓮太が唯一の安打を放つなど反撃したが、得点できず5回コールドが成立した。

世田谷学園は4回戦に進めば國學院久我山と対戦する可能性が高い。同校とは春の3回戦で対戦し4-14の5回コールドで敗れているだけに、「國學院久我山に勝って、秋に負けた日大鶴ヶ丘にも勝って、甲子園に行きたいです」と、海老澤は力強く語った。

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この記事の執筆者: 大島 裕史

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