市立西宮vs県立伊丹
一戦必勝の中、決勝まで見据えた選手の起用を考える
さて、昨日は兵庫大会2回戦の市立西宮vs県立伊丹を取材してきました。
県立伊丹
000 000 0 =0
002 311 X =7
市立西宮
バッテリー
県立伊丹:執行、横山、三宅-並田
市立西宮:山本、井上諒-飯田
兵庫屈指の右腕・市立西宮の山本 拓実投手は5回2アウトまでパーフェクトピッチング。初安打を浴びた5回を終えたところで、無失点でマウンドを降りました。吉田俊介監督は、「点差がついたのと、中1日で18日に次の試合があるので代えました。パーフェクトだったとしても、代えていたと思います」と胸のうちを話してくれました。キャッチャーの飯田竜也選手も、「いかにして山本の球数を少なくするかを考えていました」と話します。トーナメントなので、もちろん負けたら終わりで一戦必勝なのですが、中1日で次の試合を控えていることは頭に入れておかなくてはいけません。取材をしていると、その胸中を垣間見えることがあります。別の日に別の地区を取材した際、あるチームの監督は「優勝するためには」と前置きをして投手起用の意図を話してくれました。一戦必勝を頭に入れつつも、「負けたらそれまでのチームだった」と割り切ることが大事のように感じます。
実は敗れた県立伊丹の内藤祐司監督も、勝てば中1日になる日程面を考えていました。この日の先発は1年生左腕の執行大成投手。堂々としたピッチングで将来が楽しみな好投手でした。内藤監督は、エースの三宅巧真投手が1回戦で延長11回を投げ切り、184球を要していたこともあり、思い切って1年生に託したのです。「三宅が180球以上投げたことは、2回戦までの間にずっと気になっていました。本人にも確認して、少し張りもあるとのことだった。次が中1日になるということと、(1年生の先発で)相手にインパクトを与える意味もあり、執行でいきました」と話してくれました。
これは憶測ですが、もし1回戦の球数を抑えられていたら、この日も三宅を先発にと考えても不思議ありません。
一戦必勝は当然でありながらも、少なくとも監督だけは決勝まで、あるいは[stadium]甲子園[/stadium]決勝の8月21日までのスケジュールを頭の片隅に入れなければ夏は戦えないのです。これが夏の大会ということなのでしょう。
(文:松倉雄太)
2017年07月17日版 松倉雄太のディリーニュースより抜粋
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