試合レポート

江戸川学園取手vs麻生

2016.09.11

江戸川学園取手が延長11回のシーソーゲームを制して地区代表決定戦に駒を進める。1番・畑古悠人の「足」は脅威!

江戸川学園取手vs麻生 | 高校野球ドットコム

江戸川学園取手・畑古選手

 県南地区予選1回戦。江戸川学園取手は、先に行われた県南選抜大会2回戦で土浦日大に0対1で惜敗したものの、敗者戦で2勝を挙げてBシードとなった。対する茨城麻生は、霞ヶ浦に0対10と完敗。敗者戦では2回戦で江戸崎総合に4対8で敗れてシードを逃している。
先攻・茨城麻生の先発は長身の大川 翔隆、後攻・江戸川学園取手の先発は菅原 純輝と、両エース右腕の対決となった。

 序盤は茨城麻生のペースで進む。
1回表、茨城麻生は先頭の水飼 崇文(2年、稲敷東中)がレフトオーバーツーベースで出塁すると、3番・西谷 愛斗(玉造中)のレフト前タイムリーで幸先良く1点を先制する。
1回裏、江戸川学園取手は二死から連続四球で一、二塁とするが、6番・石塚 聡太郎(2年、常総ボーイズ:取手二中)はレフトフライに倒れる。

 4回表、茨城麻生は先頭の3番・西谷がセンターへのツーベースで出塁し、盗塁と四球で無死一、三塁から、5番・井上 将良がファーストへスクイズを決めて1点を追加する。
4回裏、江戸川学園取手が逆転する。一死から6番・石塚が右中間へのスリーベースで出塁し、7番・小杉 紅太(2年、取手シニア)のサードゴロの間に1点を返す。さらに四球、9番・松林 拓真(2年、取手シニア)のレフト前ヒット、1番・畑古 悠人(2年、江戸川東シニア:打瀬中)のセーフティバントで一死満塁とすると、2番・近藤 脩平(常総ボーイズ:けやき台中)のセンター前タイムリーで2点。さらに一死一、二塁から、3番・関 大輝(2年、船橋シニア:船橋中)のレフト前タイムリーで4点目を奪う。

 5回裏、江戸川学園取手は一死から、6番・石塚のライトオーバースリーベースで一死三塁とするが、7番・小杉は浅いセンターフライ、8番・根井 優成(2年、竜ヶ崎シニア:土浦六中)はショートライナーに倒れて追加点は奪えない。

 6回表、茨城麻生は先頭の8番・西谷がエラーで出塁し、犠打と四球で二死一、二塁から、7番・鳥羽 亜門(2年、稲敷東中)のレフト前タイムリーでその差を1点とする。
6回裏、江戸川学園取手は一死から、1番・畑古がショートへの内野安打で出塁し、送って二死二塁のチャンスを作ると、3番・関の左中間ツーベースで1点を追加する。

 8回裏、江戸川学園取手は一死から、9番・松林がレフト前ヒットで出塁し、1番・畑古のレフト線スリーベースで1点を追加する。さらにワイルドピッチで畑古も生還。この回2点を奪い、その差を4点とする。


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麻生・大川翔隆投手

 茨城麻生は5回から8回まで江戸川学園取手先発・菅原の前にヒット1本に抑えられるが、9回表に怒涛の連打で4点差をひっくり返す。
先頭の6番・窪木 崚馬(2年、新島中)がショート内野安打、7番・鳥羽がレフト前ヒットで無死一、二塁とすると、8番代打・折笠颯馬のレフトオーバーツーベースで2点を返し、その差を2点とする。二走・折笠には代走・大友 圭吾(1年、新島中)が送られ、なおも無死二塁。9番代打・幸保勇亮(2年、神栖四中)は空振り三振で一死となるが、1番・水飼は死球。2番・青木 薫(2年、茨城麻生中)はセカンドへの内野安打で一死満塁のチャンスを迎える。ここで3番・西谷がレフト前タイムリーで1点差。二塁に代走・小田 倉樹が送られ、なおも一死満塁から、4番・大川 拓海(2年、茨城麻生中)のライト前2点タイムリーで逆転に成功する。チャンスは続き、一死一、三塁から5番・井上が初球スクイズを敢行するが、空振りで三走・小田倉は挟殺タッチアウトとなり勝ち越しは1点止まりとなる。

 9回裏、茨城麻生は2番手に背番号11の右腕・髙﨑 涼平を送る。
逆転された江戸川学園取手は一死から、5番・菅原 純輝(2年、取手シニア)が死球で出塁。6番・石塚はセンターライナーに倒れ二死一塁と後がないが、7番・小杉の三塁ベース脇を抜けるボテボテのツーベースヒットで二死二、三塁と一打サヨナラのチャンスを迎える。続く8番・根井への初球がワイルドピッチとなり江戸川学園取手が同点に追いつき、延長戦に突入する。

 10回表、江戸川学園取手は2番手に背番号10の右腕・渋井 隆太を送る。10回は両チームとも三者凡退。

 11回表、茨城麻生は一死から1番・水飼がセンター前ヒットで出塁し、送って二死二塁のチャンスを作るが、ここまで3安打と当たっている3番・西谷はレフトフライに倒れる。
11回裏、ついに試合が決する。江戸川学園取手は先頭の4番・吉田 将伍(2年、取手シニア)がセンター前ポテンヒットで出塁。続く5番・菅原がカウント1ストライク1ボールから右中間に運ぶ。ヒットエンドランでスタート切っている一走・吉田は一気に本塁まで到達しサヨナラゲームとなる。
江戸川学園取手が3時間を超える激闘を制して石岡一との県南地区代表決定戦に駒を進めた。

 この試合でもっとも目立ったのは、江戸川学園取手の1番打者・畑古 悠人の俊足だ。全6打席のうち内野安打が3本。さらに第5打席は、レフトへのツーベース性の打球でも三塁まで到達してしまった。また一塁到達タイムを計測したところ3.84秒、平凡な内野ゴロでも一塁がセーフになってしまう足は圧巻だった。
先発の菅原純輝はスライダーが武器。球速は目測で130キロには達していないようだ。マウンドを降りたらショートの守備に就くだけあって、投球後の一歩目が速くフィールディングが上手い。

 茨城麻生は代打策が見事にはまって9回の大逆転となったが、スクイズの取りこぼしと記録に残らない後逸で、自陣に引き寄せた流れをミスミス相手に渡してしまった。
先発の大川 翔隆は細身で上背があり、腕を真上から振り下ろす2年前の今井優太投手を髣髴とさせるフォームだ。フォークなどの縦系の変化球をマスターできれば、角度を生かして三振が取れる投手になりそうだ。
打線では3番・西谷 愛斗が3安打4出塁と牽引した。

(取材・写真=伊達 康

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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