試合レポート

郁文館vs都立永山

2014.04.05

2年生左腕・大島が8回無失点の好投!都立永山を下し3回戦進出!

郁文館vs都立永山 | 高校野球ドットコム 

好投を見せた大島良介(郁文館)

 まさに自信に満ち溢れた投球だった。
郁文館の先発は大島 良介(2年)。ブロック予選で好投を見せ、初戦の先発を任された。
「調子は予選から上がっていました」
と振り返るように、常時125キロ前後の直球でも、球速表示以上にキレを感じさせ、力の入れどころを分かっているのか、要所になるほどより切れのあるストレートを投げ込んでいる。また投球フォームは右肩の開きがギリギリまで開かず、テークバックを大きく取ったフォームから打者寄りで球を離す。球持ちが良く、キレのあるストレートを投げられるフォームだ。

 カーブ、チェンジアップのコンビネーションで投球を組み立てをしていた。特に光ったのが右打者への外角へ落ちるチェンジアップ。
「今日は打てる打線なので、この球を決め球にしようと決めていました」
打者の手元でしっかりと落ちて、都立永山打線は捉えることができず、大島の狙い通りの配球が出来ていたといえるだろう。
コントロール、速球のキレ、変化球のキレ、組み立て、テンポの良さと投手として大切なモノが備わっている。そして何より自信を持って投げられているのが良い。

 試合は0対0のまま迎えた6回表。一死二、三塁からチャンスを作り、8番の大島が打席に立つ。
「自分が決めるしかないと思って」
甘く入った直球を逃さず、中前安打を放ち、2点を先制する。大島は8回まで被安打2奪三振8無失点の好投。最後まで球威が衰えず、コントロールの精度も乱れず、素晴らしい投球だった。

 「予選の投球で完全に自信を付けましたね」
郁文館の佐々木監督も大島の投球を評価した。


郁文館vs都立永山 | 高校野球ドットコム 

永山の2番手・中田

 都立永山は7回から登板した中田 勇太(2年 右/右 180センチ78キロ)が楽しみな素材だった。体格の良さに加え、肘がしっかりと上がり、腕を振り下ろす右の本格派で、常時125キロ~129キロを計測。コンスタントに120キロ後半を計測しており、新2年生右腕としては期待の持てる投手であった。その中田は2回無失点と好投を見せる。

 スコアは郁文館2点リードのまま9回へ。
そして9回表からは背番号1の右下手の佐藤が登板。押し出し四球で1点を取られるが、佐藤を送った佐々木監督、後輩の大島は佐藤を信じていた。
「登板間隔が空いて緊張したと思いますが、この子は気が強い子なので、心配していません」(佐々木監督)
「先輩なら必ず抑えてくれると思っています!」(大島)
佐藤は後続の打者を抑えて、試合終了。初戦突破を決めた。

 次の試合は日体荏原が出場辞退で、不戦勝となり、3回戦。次がシードをかけて争う戦いとなる。

 郁文館の佐々木監督は大島が成長したことで、佐藤との継投策で投げる目途がついたことを収穫と語った。勝ち進むごとに自分達の戦い方を身に付けるのはトーナメントで勝ち進む上では鉄則。シード権まであと1勝。さらに成長した姿を見せられるのか注目していきたい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.25

【南北海道】函館支部では第3シードの函館西と函館大有斗が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では、第2シード苫小牧工が代表決定戦進出を狙う【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】小樽支部予選が26日に開幕!8年連続代表校の北照が登場【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【滋賀】組み合わせ決まる!近江がいきなり彦根東と対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.21

沖縄大会が22日開幕!八重山商工、宮古、小禄が登場、開幕戦での白星一番乗りは?【2024夏の甲子園】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】