樟南vs鹿児島実
鉾VS盾、「盾」に軍配・樟南
県内最強の「鉾」(=攻撃力)を誇る鹿児島実、県内最強の「盾」(=守備力)がある樟南、好対照なチームカラーを持ち、互いに最強のライバルと認める2強の激突は、再試合となった2日前と合わせて、計24イニング、6時間27分の死闘の末、「盾」が「鉾」を機能させず、樟南が3年ぶり19回目の夏の甲子園の切符を手にした。
2日前、延長15回までがっぷり四つに組んで1対1で引き分けたことを、両チーム詳細に分析したのだろう。スタメン、打順が大きく入れ替わっていた。
樟南は、今大会、5番打者で最も勝負強い活躍をしている吉内匠(3年)を4番に抜擢し、5番には今大会が初のベンチ入りながら、代打2打席で2安打1打点と勝負強さを発揮した背番号20の積山水音(3年)を初スタメンに起用した。先発はエース浜屋将太(3年)に託された。
一方の鹿児島実も、2日前無安打だった1番・追立壮輝(3年)を6番にして、2安打した加川由伸(3年)をリードオフマンで起用。先発は背番号10の丸山拓也(3年)だった。
初回、鹿児島実は1番・加川がレフト前ヒットで出塁。2番・佐々木幸大(3年)がバントから一転、強打した打球がレフト後方に落ちそうな大きな当たりだったが、レフト吉内が好捕。ピンチを救った。
その裏、樟南は1番・今田塊都(3年)がセンター前で出塁。死球、捕逸で一死二三塁と絶好の先制チャンスに初4番の吉内が左中間を深々と破る先制のタイムリー2点二塁打となった。
鹿児島実はこれ以上失点は許されないと、早々にエース谷村拓哉(3年)にスイッチ。後続を絶つと、2回表には8番・喜岡大晟(3年)のセンター前タイムリー、3回には4番・綿屋がタイムリーを放ち同点に。その裏、樟南は無死満塁から併殺の間に3点目を入れた。
5回表、鹿児島実はエラー、3番・中村天(3年)のライト線二塁打でチャンスを作り、4番・綿屋が敬遠で歩かされ、逆に無死満塁のチャンスを作った。
準決勝は13回192球、決勝初戦は6回から15回まで139球を投げた浜屋は明らかに調子を崩しており、鹿児島実が一気に畳みかけるかと思われたが、樟南はここでリリーフに畠中優大(3年)を送る。
畠中は5番・板越夕桂(3年)をファーストゴロ、6番・追立、7番・井戸田智也(2年)を連続空振り三振で打ち取って、最大のピンチを脱した。
6回以降、畠中は被安打1、二塁も踏ませない力投で1点差を守り切り、樟南が3年ぶりの夏の甲子園への切符を手にした。
(文=政 純一郎)
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