選手権大会出場投手にみる最新人気グラブトレンド
選手権大会出場投手にみる最新人気グラブトレンド2011年11月14日
第93回高校野球選手権大会は、日大三の10年ぶり二度目の優勝で幕を閉じた。前回、ドットコムではセンバツ出場した登板投手、春季東京都大会ベスト8チームの登板投手のグラブ使用率を調査した。(第5回 甲子園出場投手にみる最新人気グラブトレンド)今回は選手権大会、および秋季関東地区大会の投手使用グラブを調査する。
選手権大会登板投手使用グラブ 「ミズノが5割で首位。エスエスケイ、ゼットが次点を争う」
まずは今夏の選手権大会に出場した32校で、甲子園で登板した投手の使用グラブを調査した。
1位は使用率49%でミズノ。前回の春の選抜大会時の調査と同様に、およそ半数の投手が同社のグラブを使用していることがわかった。プレイヤーの中での人気ぶりは変わらず、2位を引き離すシェア率を獲得した。次いでエスエスケイ、ゼットと人気メーカーが続く。前回の調査でも、2社は同率2位であった。その差はわずか2%。シェア拡大をめぐってし烈な争いが予想される。そしてローリングスが4位にランクイン。他の選手に関しては、ヘキサ、サムライといった新興メーカーのグラブの使用が見られた。ミズノの安定したシェアを再度確認する結果となった。
【参考データ】
※その他に含まれるメーカー ヘキサ、サムライ、ハイゴールド、ジームスなど (高校野球総合研究所調べ)
2011年度秋季関東大会出場校使用グラブ 「ミズノがシェア率70%と好調」
それでは地方ごとのグラブのシェアはどのような傾向があるのだろうか。そこで、2011年度秋季関東地区大会に出場したチーム(浦和学院、作新学院、健大高崎、高崎、横浜、東海大甲府、千葉英和、甲府工)の投手使用グラブ(登板投手20人)を基に検証する。
ここで首位はミズノで70%と先の選手権大会と比較すると高いシェア率を記録した。20名中14名が同社のグラブを使用していたことになる。次いでゼット、ローリングスと10%のシェアで同率2位を獲得。それに続くウィルソン、エスエスケイと、プレイヤーのシェアをめぐり横並びの争いが続いている模様だ。
総括
現在のグラブの流行を調べるために、選手権大会および秋季関東地区大会出場校の投手の使用グラブを調査した。結果は前回の調査と同様に全国大会、地方大会ともにミズノのグラブが高いシェア率を保持していることが明らかとなった。
同社はグローバルエリートに代表される新たな技術を使用した商品開発に尽力している。良質の製品づくりが球児たちの支持を得ている。その結果、2位以降と大きく差をつけ、根強い人気を維持している。
そしてシェア率2位をめぐり、し烈な争いが行われている模様。2番手に安定してランクインするメーカーは現れず、各社横並びの状態といえる。勝負の焦点は、いかに他社と差別化を図り、新規ユーザーを獲得するか。今後の各社の取り組みに注目したい。
今回はあくまで投手に関しての調査である。他のポジションではまた違った結果が得られるのかもしれない。今後も引き続き、プレイヤーのシェア率の動向を追っていきたい。