慶應義塾vs常磐大高
清原勝児が勝ち越し2ラン!慶應義塾が常磐大高との接戦制す
2ラン本塁打を放った7番・清原勝児(慶應義塾)
<第75回秋季関東地区高校野球大会:慶應義塾5-3常磐大高>◇22日◇1回戦◇レジデンシャルスタジアム大宮
1、2回は両校ともに好機を作るも、常磐大高・山口 竜生投手(2年)、慶應義塾・小宅 雅巳投手(1年)の両先発が踏ん張り得点を許さない。
試合が動いたのは3回裏。慶應義塾の9番・小宅が左翼線への二塁打で出塁する。その後、四球と犠打で1死二、三塁のチャンスを作ると、3番・渡辺 憩捕手(2年)の内野ゴロの間に走者が生還し慶應義塾が先制した。
常磐大高の反撃は直後の4回表。先頭の4番・茂木 祐樹内野手(2年)が安打で出塁。走者を進めるも2死となる。7番・山口が放った打球は三塁手の手前で大きく弾むと、打球が外野を転々としている間に茂木が生還し同点とした。
追いつかれた慶應義塾もすぐに反撃。1死から6番・福井 直睦外野手(2年)が安打を放つと、続く6番・清原 勝児内野手が振り抜いた打球は左翼フェンスを越える2点本塁打。慶應義塾は今度は2点のリードを手にした。
再び追いかける展開となってしまった常磐大高。それでも選手たちの闘志は消えない。5回表、内野安打2本と四球で満塁のチャンスを作ると、5番・堀江 翔悟外野手(2年)の打席で小宅が暴投。これに三塁走者の篠原 結人内野手(2年)が好スタートを見せ、ホームに生還した。
なかなかゲームの主導権を握りきれない慶應義塾。それでも5回裏、1死から4番・加藤 右悟外野手(1年)が安打で出塁すると、続く5番・延末 藍太内野手(2年)の打席でエンドランを敢行。延末が右前に安打を放つと、スタートを切っていた加藤は三塁まで到達した。1死一、三塁のチャンスで前の打席で安打を放っていた7番・福井が三遊間を抜ける適時打を放って再びリードを広げた。
6回にも4番・加藤の適時打で得点を加えた慶應義塾。失点が4、5回と失点が続いていたが直前の6回を無失点に抑えていたために、大きな得点となった。
常磐大高の最終回の攻撃。先頭の1番・佐藤 羽外野手(2年)が安打で出塁すると、続く2番・篠原も四球を選ぶ。3番・澤田 悠内野手(2年)の打席の際に、リードが大きかった二塁走者を狙った捕手の悪送球で、無死一、三塁のチャンスを作る。しかし8回からマウンドに上がっていた慶應義塾のエース・松井 喜一投手(2年)が、澤田を併殺打に打ち取ると、最後は三ゴロで試合終了。5対3で慶應義塾が勝利した。
試合後、慶應義塾・森林 貴彦監督は「常磐大さんはが打力があるのはわかっていたので、点の取り合いになるイメージをしていたのですが、まさにその通りのしんどい試合でした。でもそういった試合で1点上回って勝つのが野球と言ってきたので、日々成長しているのかなと思います」と試合をふり返った。
敗れた常磐大高・海老澤 芳雅監督は「直前にコロナの感染者が出てしまい、練習がほとんどできない状況での試合でした。点差以上に力の差を感じましたが、よく頑張ってくれました」と話し、コロナ感染による練習不足が否めない様子だった。
勝利した慶應義塾は25日に行われる昌平(埼玉)との準々決勝に進出した。この試合に勝利するとセンバツへの出場権が近づくため、重要な試合となる。
(取材=編集部)