試合レポート

鳴門vs阿波西

2010.09.13

2010年09月12日 アグリあなんスタジアム

鳴門vs阿波西

2010年秋の大会 第63回徳島県高等学校野球秋季大会 1回戦

一覧へ戻る

杉本京太(鳴門)

鳴門、甲子園での経験糧に秋緒戦を制す!

15年ぶり6度目の出場となった夏の甲子園では、8月10日・優勝した興南の前に1回戦敗退に終わった鳴門。スターティングメンバー9人中8人が入れ替わって臨むことになった8月18日の県新人中央Aブロック大会では徳島城東の前に2対7とまさかの初戦敗退に終わった彼らにとって、約1ヶ月の準備期間を経て臨むこの秋季大会は、夏秋連覇という偉業達成以前に自らのプライドを取り戻す絶好の機会である。

その先陣を切ったのは旧チームで唯一甲子園を経験している6番・杉本京太二塁手(1年)であった。初回、4番・惣野親良(2年)の先制タイムリーに続き2死1・2塁から二遊間を破るタイムリーで惣野を迎え入れると、中継プレーが乱れる間にすかさず2塁へ。さらに7番・大端秀志(2年)のショート内野安打で長躯2塁から本塁に突入し4点目を奪取。興南戦後、「下級生でスタメンだったのは僕1人だったので、徳島に戻ってからは全国レベルの高さを徳島に伝えたい」と話した決意の程を、自らの積極的なプレーで体現したのである。

また、鳴門先発の大端も「腕の振りが合っていたので夏の県大会中に変えた」(森脇稔監督)大先輩・潮崎哲也(現:西武ライオンズ1軍投手コーチ)ばりのサイドスローで阿波西打線を翻弄。特に指揮官をして「潮崎より曲がる」と評する左打者へのシンカー系ツーシームは、今後の練習次第で全国で通じる決め球になる可能性を大いに感じさせるものであった。

試合後には「攻撃力と走力は現時点では去年より劣る。その意味では勘違いしないためにも苦しんでよかった」と7回コールドでの初戦突破に気を引き締めた森脇監督。ただし、杉本をはじめ甲子園での苦い経験を糧にしようとする彼らの戦いは、この先におけるのびしろを期待するに値するものであったことも間違いない。

(文=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

6日兵庫大会が開幕!春夏8度甲子園出場の神港学園が登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

愛知大会は6日に1、2回戦!昨秋4強、21世紀枠推薦校の小牧南がリベンジの夏へ【2024夏の甲子園】

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!