盛岡三vs山本学園
投打の大黒柱・清川の活躍で、盛岡三が逆転勝利!
山本学園の先発・丹野
盛岡三がここぞのチャンスをモノにして、準々決勝へ駒を進めた。先制したのは山本学園。4回表、一死二塁から7番桜井 駿(3年)の適時打で先制する。
山本学園は先発・丹野 拓海(右/右 186センチ83キロ)が130キロ前後の速球、スライダー、カーブを織り交ぜ、無失点に抑える好投を見せていたが、5回裏、盛岡三は一死一、三塁のチャンスを作り、1番角掛 寿真(3年)の遊ゴロの間で1対1の同点に追いつく。
そしてこの試合の勝敗を分けるポイントとなったのが6回裏。
2番臼澤 悠太郎(1年)が右前安打を放ち、3番小原 和樹(3年)の右前安打で、無死二、三塁のチャンスを作る。
ここで4番清川 航矢(3年)。
この打席で清川は一工夫をした。それまでの2打席はバッターボックスの前よりに立っていたが、後ろに立ったのだ。
その狙いとは。
「スライダーが見えていなかったので、ベンチにいる仲間と話し合った結果、後ろに立とうと決めました。監督の柴田先生からも指示が出ていたので」
カウント1ボール2ストライク。狙い通りのスライダーが来た。それも高めの絶好球。振り抜いた打球は一塁手横を抜ける右前安打。二者生還し、3対1と勝ち越しに成功。4番がここぞのチャンスをしっかりとモノにした。こうなると勢いを盛岡三に。さらにチャンスは続き、一死三塁として、6番和山 和矢(3年)が左前適時打を放ち、4対1とした。
8回からマウンドに登った清川(盛岡三)
4対1で迎えた8回表。盛岡三は清川をマウンドにあげる。
「打つよりも投げる方が好き」と話す清川。体を沈み込ませ、下半身主導のフォームから投げこむ右上手のフォームから常時130キロ~135キロ(最速137キロ)の直球、スライダー、チェンジアップを織り交ぜ、山本学園打線を封じこむ。
盛岡三は8回裏、一死一、三塁の場面から一塁走者がわざとスタートを遅らして、一、二塁間に挟まれる間に三塁走者が本塁へ。ダブルスチールを成功させ5対1とその差を広げる。盛岡三の柴田監督は「状況に応じた攻撃ができている」と評価した。
そして9回表、清川が無失点に抑え、盛岡三が逆転で勝利をおさめた。
「投打の大黒柱で、後輩への面倒見も良く、実力的にも、人間的に申し分ない。彼が打たれたら仕方ない」
と柴田監督が信頼する清川の活躍によりベスト8進出を決めた盛岡三。
次は盛岡大附と岩手勢同士の対決となる。盛岡大附とは、盛岡地区予選で対戦しており、3対4で競り負けている。県大会で、メキメキと力をつけていった成果を、次の準々決勝で発揮していきたい。
(文=河嶋 宗一)