Column

大谷世代!世界で活躍した社会人2年目の2018ドラフト候補を一挙紹介!

2017.12.23


笹川晃平(東京ガス)

 12月9日、大谷翔平がエンゼルス入りを決めた。大谷と同世代の選手は2018年は社会人2年目の年となるが、実は大谷世代には逸材が多い。今回は11月25日から12月17日まで開催されたアジアウインターベースボールリーグ(AWB)に参加した選手を対象に、2018年のドラフト候補を紹介していきたい。

 まず、大谷世代は、投手が豊作だ。AWBで最多奪三振を獲得した岡野祐一郎東芝・聖光学院出身)もその一人。この時期になっても、145キロ前後の速球、スライダー、シンカー、チェンジアップをストライク先行で投げ込むなど、高い投球力をみせる。NPBの投手と比較してもそん色ない出来で、来年は間違いなくドラフト上位候補となるだろう。高校時代は、光星学院の主力だった田村龍弘(千葉ロッテ)、北條史也(阪神)と2年秋の東北大会でも対戦した。さらに、同大会の準決勝で戦った青森山田京田陽太(中日)などもいる。岡野がプロ入り後の再対戦が楽しみだ。

 他には、臼井浩東京ガス・光明相模原出身)がNPBウエスタン選抜相手に好投を見せた。決して大型ではないが、それを補う切れ味鋭いストレート、精度の高いスライダーのコンビネーションで勝負する投手で、2018年は勝てる投手として、プロのスカウトにアピールをしていきたい。

 速球投手では生田目翼(日本通運・水戸工出身)に注目。流通経済大時代からドラフト上位候補として注目された生田目は社会人1年目から活躍を見せ、AWBでも150キロ前後の速球と130キロ後半のスライダーのコンビネーションで、4回を投げて、5奪三振を記録した。このAWBをステップにどこまで活躍できるのか。

 

 堀 誠NTT東日本・日本航空出身)は、4試合で24回を投げ、防御率0.83を記録。球速は140キロ前後と決して速い投手ではないが、投球術の上手さが光った。高校時代、最高成績は2年夏の準優勝。立正大では、黒木優太(オリックス)に次ぐ先発投手として活躍を見せると、その後のNTT東日本では、社会人1年目から都市対抗優勝を経験。そしてAWBでも防御率0点台の活躍を見せ、着実にステップアップを見せている。

 平尾奎太Honda鈴鹿・大阪桐蔭出身)は高校時代、藤浪晋太郎澤田 圭佑とともにベンチ入りしていた大型左腕。高校時代は出番に恵まれなかったが地道に取り組み、プロを狙える選手になってきた。188センチの長身から140キロ前半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップを低めに集める投球の完成度は非常に高く、今年は侍ジャパン社会人代表にも選出され、第28回 BFA アジア選手権の決勝戦でも登板した。AWBでも、6試合を登板、20回を投げ、防御率0.95、21奪三振と抜群の安定感を示した。


リリーフで活躍する坂本 光士郎。写真は日本文理時代

 坂本 光士郎新日鐵住金広畑・如水館出身)は高校時代、技巧派左腕だったが、今では最速147キロのストレートを投げ込むまでに成長。日本文理大時代に、体幹を徹底的に鍛えたことが球速アップにつながり、AWBでは、8試合中、7試合がリリーフ。14回を投げ19奪三振。

 高橋 拓已日本生命・前橋育英出身)は、高校時代から140キロ前後を投げる左腕として注目を浴びた。今では145キロ前後を投げる先発型へと成長。第28回 BFA アジア選手権にも出場すると、今年の日本選手権では敢闘賞を受賞し、AWBでは4試合では防御率1.29を記録。

 野手では北海高校時代からスラッガーとして注目された松本 桃太郎Honda鈴鹿・北海出身)が注目だ。AWBで打率.421をマーク。

 そして、覚えておきたい逸材が、浦和学院出身の笹川 晃平東京ガス)。9試合で打率.444、2本塁打、14打点と圧倒的な成績を残した。高校時代は大谷とともに日本代表を経験。今年も第28回 BFA アジア選手権に出場してアジア選手権優勝を経験した。日本代表で一緒にプレーした選手の多くが、プロ入りしているだけに、笹川のプロ入りへの思いもひと際強いだろう。

 来年、社会人2年目を迎える「大谷世代」はドラフト解禁年を迎えるだけではなく、来年8月にインドネシアのジャカルタで行われる第18回アジア競技大会の中心選手の主力選手としても期待されている。プロで先にプレーしているライバルと一緒にNPBで戦うために、2018年は飛躍の一年にしたい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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