「全員試合出場義務」導入を考えるのはどうだろうか?
新潟県高等学校野球連盟(新潟県高野連)が昨年12月22日にNIGATA野球サミット2018(主催・新潟県青少年野球団体協議会=NYBOC)で発表した今春の県大会での投球数制限。これを受けて、日本高等学校野球連盟(日本高野連)は20日の理事会で新潟県高野連が発表した件の審議を行いました。結果は、各種ニュースの通りですが、新潟の発表の目的で一つ話題が希薄になっていることがあります。それが「選手の出場機会増」です。
「故障の予防」など選手を守ることがメインになってしまっていますが、「選手の出場機会増」を忘れてはいけません。
「故障の予防」という点では、投球数制限(新潟の1試合100球)を実施するならば、現在の9イニング制の野球を7イニングにするという案は一理あります。奇しくも国際大会では、2020年秋開催予定のU-23ワールドカップ、2021年のU-18ワールドカップから7イニング制を実施することになりました。つまり9イニングのU-18ワールドカップは今年が最後。再来年は高校生が確実に7イニングを経験します。国際大会でのタイブレークが継続打順になって日本の高校野球も同じにできたタイミングと似ていて、日本高野連が発足させる有識者会議でも投球に関する制限と同様の扱いで7イニング制の導入の可否も話し合わなければいけないと思います。
一方、「選手の出場機会増」という点ではイニングを減らせば矛盾してしまうという考え方もできます。そこでご存知の方も多いと思いますが、リトルリーグでルールとなっている、「(ベンチ入り選手の)全員出場義務」を取り入れれば、7イニングであっても矛盾は解消できるのではないでしょうか。
リトルリーグのルールはこうなっています。
公益財団法人日本リトルリーグ野球協会Webサイトより
実際、NIGATA野球サミット2018の資料の「チェンジ!チャレンジ!プラス1!!」で各団体へのアンケート結果が載っており、ベンチ入り全員が試合に出場(リエントリー制度を含む)が138チームで1位となっています。
ただ、野球連盟・スポーツ少年団が28チーム(2位)、リトル・ポニー・ヤング・ボーイズ・中体連が79チーム(1位)だったのに対し、新潟県高野連加盟校は16チームで3位と低くなっています。
ここでのサンプルは新潟しかありませんが、全国でアンケートをとったとしても似たように高校が一番低くなることも予想されます。
ここの意識を変えること。高校野球でもベンチ入り(18名or20名)を全員出場させることを習慣づけることが大事になってきます。
リトルリーグは6イニング、中学生の野球も多くが7イニングで実施していることも考えると、故障予防での投球制限付き7イニング制と出場機会増での全員出場義務を平行して実践できるのではと考えます。あとは監督の腹次第。7イニングでの全員出場義務ルール怯えていてはいけません。
それも勝負です!勝負できるはずです!
と同時に、有識者会議での議題にもぜひ挙げて話し合っていただきたいと思います。
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(文=松倉雄太)