【巨人】一軍昇格を待つ古川と堀岡、首位奪取へ新たな戦力となるか
堀岡隼人(青森山田高→2016年育成7位)
プロ野球は前半戦を終え一軍は東京オリンピック開催に伴う中断期間に入った。日本代表に招集されている選手以外は、練習や二軍戦で汗を流している。そのなかには前半戦で一軍未出場だった選手も多い。
巨人は首位阪神と2ゲーム差の2位で前半戦を終えた。エース菅野智之の不調、スモークの帰国、テームズの離脱と苦しむも、直江大輔や戸田懐生、北村拓己といった一軍での実績のない若い選手をやりくりし上位争いに踏みとどまっている。
一方で実績のある陽岱鋼は一度も一軍に昇格できなかった。コンディション不良もあって一度は三軍にも落ちたが、二軍では31試合の出場で打率.242(91打数22安打)、4本塁打と一定のパンチ力は見せている。実績は十分だが現在34歳と決して若くない。今以上の結果が出ないと一軍昇格は厳しい。
その他の選手で一軍未出場なのは、入団3年目までの若手と育成から這い上がってきた八百板卓丸だけ。オープン戦では一軍に台頭したルーキーの秋広優人も公式戦での一軍出場はない。秋広はここまで二軍で49試合に出場し4本塁打を放っているが、打率.196(158打数31安打)と確実性は低い。しばらくは二軍で汗を流す日々が続くことになりそうだ。
投手陣を見ると1年目、2年目の選手以外は、ほとんどが一軍での登板機会を与えられてきた。そのなかで古川侑利と堀岡隼人のふたりが開幕から二軍調整となっている。二軍では古川は24試合(40.1回)、堀岡は29試合(44.2回)と登板機会は多い。一軍から声がかかるのを待っている。
ドラフト2位ルーキーの山崎伊織、2019年ドラフト2位の太田龍はいずれもリハビリ中。ドラフト上位指名のふたりだが、今シーズン中の一軍登板の可能性は薄い。来シーズン以降の昇格を目指すことになる。
セ・リーグ3連覇へ向けて、原辰徳監督は後半戦で新たな戦力を一軍で起用することはあるのだろうか。その起用法に注目が集まる。
【巨人の前半戦一軍未出場選手】
<投手>
山崎伊織(明石商→東海大→2020年2位)
太田龍(れいめい高→JR東日本→2019年2位)
伊藤優輔(小山台高→中央大→三菱パワー→2020年4位)
山本一輝(東郷高→中京大→2020年6位)
古川侑利(有田工→2013年4位)※ドラフト指名は楽天
井上温大(前橋商→2019年4位)
堀岡隼人(青森山田高→2016年育成7位)
<野手>
陽岱鋼(福岡第一高→2005年高1巡)※ドラフト指名は日本ハム
中山礼都(中京大中京高→2020年3位)
八百板卓丸(聖光学院高→2014年育成1位)※ドラフト指名は楽天
菊田拡和(常総学院高→2019年3位)
増田陸(明秀学園日立高→2018年2位)
松井義弥(折尾愛真高→2018年5位)
山瀬慎之助(星稜高→2019年5位)
秋広優人(二松学舎大付高→2020年5位)
萩原哲(日南学園高→創価大→2020年7位)
伊藤海斗(酒田南高→2019年6位)
(文=勝田 聡)