試合レポート

錦城vs都立狛江

2022.07.20

錦城 敵失に乗じて得たリードをロングリリーフの鍵山の緩急自在の投球で守り切る

錦城vs都立狛江 | 高校野球ドットコム
勝利の瞬間の錦城・鍵山夏生

<第104回全国高校野球選手権西東京大会:錦城8−4都立狛江>◇19日◇3回戦◇[stadium]多摩一本杉[/stadium]

 ともに昨年の秋季都大会では二松学舎大附と対戦。錦城は2対12の7回コールドで敗れたのに対し、都立狛江は準々決勝で敗れたものの2対4と善戦。このチームでの実績では、狛江の方が上回っている。しかし今回は秋8強の立役者であるエースの山﨑 優が体調不良のため欠場。準々決勝の試合をみて狛江に進学する決意を固めた1年生の佐藤 佑樹が先発のマウンドに立った。

 1年生の佐藤を助けるためにも打撃の援護が必要であるが、先取点を挙げたのは錦城だった。まず死球と敵失で1点を先制した後、1番・有馬 良太の二塁打でさらに2点を追加した。それでも狛江は3回表に2番・海保 将吾の二塁打に3番・八子航の三塁打などで2点を入れて追い上げる。4回表には錦城の先発・長島 瀧空のボークもあり、狛江がさらに2点を追加して逆転する。

 しかしその裏、錦城は、まず敵失で同点に追いついた後、先発・長島に代打・原田 泰地を送り、原田の左前安打で逆転。その後2死満塁となり、3番・鯉渕 小五郎の左前安打に失策が絡み3人が生還。錦城が8対4でリードしたものの試合は荒れ模様で勝敗の行方は分からない。

 そうした試合を締めたのは、長島に代わり5回から登板した鍵山 夏生だった。鍵山は時折、思い切ったスローボールを投げ込む。「ピッチャーの配球はいろいろ考えています。ああいう球は打たれたら仕方ないと思っています」と捕手の鯉渕は語る。そうした思い切りの良さが投球の幅を生み、緩急自在の投球で狛江打線を翻弄する。鍵山が5回から登板して以降、ピンチらしいピンチもほとんどなく、9回表狛江の攻撃を迎える。1死後、背番号20の主将・大久保 衡良が代打として打席に立つ。「次につなごう。絶対打つと思って打席に立ちました」という大久保は、三ゴロに倒れ、結局8対4で錦城が勝利した。昨夏も秋も8強に進出し、主将として「プレッシャーがありました」と大久保。最後の夏は思うような戦いはできなかったが、昨夏や秋の戦いをみて入学した先発した1年生の佐藤らが、その思いを引き継いで行くに違いない。

 勝った錦城は翌日、桜美林と対戦する。郷野 康輔監督は、「楽しませます」と語る。チームの雰囲気は明るい。それもこのチームの良さだ。

(取材=大島 裕史)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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