日大三vs花咲徳栄
横尾俊建(日大三)
まさに大当たりを見せた内容であったが、本人は
「たまたま当たったヒットが2本あって、相手も簡単に勝負してくれたのでこのような結果を残せたと思いますが、まだ自分が求めるものには達していないと思います」
とこの打撃結果には満足しているようには見えなかった。
選抜では不振に終わった横尾。選抜後では何度も録画を見直し、修正点を探してきたという。
その原因はなかなか見当たらず、簡単に言葉で表すことはできないぐらい悩んだそうだ。
いろいろスタンス、フォームも変えてようやく落ち着いたのが今日のスタイル。西武の中島のような上段に構えるスタイルだ。
まだ5打数5安打を記録しても本人は満足いく感触を掴むことができていないようだ。
しかし大会まであと2ヶ月。今後はこのスタイルをベースに更に完成度を高める予定。結果を残していても決して満足せず更に高みを目指す横尾。
求めるモノは並みの高校生と比較ならない。少ない取材時間では把握しきれないぐらいこの男は打撃を考えている男だなと感じた。
大塚健太朗(花咲徳栄)
日大三の先発・田中健太(右/右 183センチ83キロ)と恵まれた体格をしており、素材の凄みならばエースの吉永健太朗にひけをとらないことは納得できた。
ストレートは常時135キロ前後を計測しており、角度のある直球には素質の高さが感じられたが、全体的に高めに浮く傾向が気になった。
投球フォームはセットポジションから左足を真っ直ぐ上げて、重心をそれほど下げずに上半身の強さで投げる投球フォーム。開きの早さが気になり、やや上体が立ってしまって投げているのでバランスが良くない。
ただ持っているモノは素晴らしい。素質を開花させるには時間がかかる印象を受けたが、根気強く育ててほしい逸材であると感じさせるものがあった。
花咲徳栄の大塚健太朗(右/左 169センチ68キロ)はセカンドからショートへコンバート。
ショートの守備でもしっかりと順応している。打球の反応が良く、素早く打球に追いつき打球を処理している。捕ってから投げるまでの動作も素早く、スローイングも強く、コ
ントロールも良い。ショートとして実戦的な守備ができており、改めてセンスの高さを実感できた。
打者としては1安打。膝を深く折り曲げて構えから上から強く叩くスイングでセンター中心の打撃を心がける。
走塁も無駄のなく走ることができている。全体的に鍛えられており、技術の高さとセンスの高さを感じさせるショート。
小柄だが、大学レベルでも活躍が期待できるものと感じさせるものがあった。
(文=編集部:河嶋宗一)