鳥取城北vs敦賀気比
11回適時打の平山選手
初のタイブレーク適用となった試合だったが…戸惑い感も
今大会は、延長に入ったら1死満塁からのタイブレークを採用するという特別ルールとなっていたが、それがいきなり開幕戦で適用となった。正直なところ、どちらも戸惑いがあったのではないだろうか。そんな感じが漂っていたし、見ている側にも何となく戸惑い感があった。
ルールは、1死満塁という設定で、打順はどこからはじめてもいいということになっていた。
結局、10回は1番からはじめた鳥取城北も、3番からはじめた敦賀気比も2者が凡退して得点できず。
そして11回、鳥取城北は3番木村君からということになったのだが、この打球が二塁ライナー。飛び出した走者がアウトになれば、併殺となり一人でチェンジということになったのだが、何とか二塁走者が戻れてつながったのだが、川野君が三塁線を破って2者が帰る。さらに、四球後、横関君も内野安打でさらに1点が入りなおも満塁。
ここで、7番木下君が中越三塁打して決定的となった。続く、平山君も打って、この回7点が入ってしまった。
さすがに、こうなってしまっては敦賀気比としても反撃は厳しかった。野選などで何とか2点は返したものの、及ばなかった。1死満塁という設定が何とも微妙で、そこから1点を取りに行くのか、複数点を奪うことを目指すのか、先攻と後攻では、状況によってかなり有利不利もある。特に高校野球の場合は、この試合のようにどうかすると、大量点が入ってしまうケースがあるのだろうなということを改めて思った。
西坂(鳥取城北)
ただし、敦賀気比の名誉のためにも書き添えておくが、スコアの差ほど力の差はなかった。たまたま、11回に1イニング7点が入ってしまったということである。
9回までの試合は、テンポのいい投げ合いで、鳥取城北は身長184㎝の西坂君が角度のあるタテの変化を巧みに使い、8回まで、敦賀気比打線を5安打散発に0点に抑えていた。そして、初回に2四球と相手失策で先制点を挙げると、その後は敦賀気比の山本翔君を打ちあぐんでいたが、7回に横関君、木下君、平山君の捕逸絡みの3連打で追加点を挙げて、試合の流れを掴んだ。
そして、山木博之監督は、「今日は、西坂と平田への継投を試してみようと思っていた」ということで、そのタイミングを見ていたのだが、結局、9回に西坂君に打順が回ってきたところで代打を送り出し、その後をエースナンバーを付けた平田君にとつないだのだが、1死から失策絡みで走者がたまり、2死一二塁となった。それでもあと1球という場面で、7番山本竜君に中越二塁打が出て2者が返って同点となった。
土壇場で追いついた敦賀気比の粘りも立派だった。
結局、タイブレークで大差となってしまったが、東哲平監督は、タイブレークでの失点よりも、「守りのチームなんですから、エラーはいけませんね。これは、課題ですね」と、守りのミスを悔やんでいた。