試合レポート

八重山vs中部商

2011.03.26

八重山vs中部商 | 高校野球ドットコム

多和田(中部商)

1回戦屈指の好カードは思わぬ展開に・・・

八重山中部商という県でも屈指の両チームが対戦することもあり、セルラースタジアムには朝早くから大勢の高校野球ファンが集った。
この試合の注目は何といっても八重山の豪腕・花城直投手と中部商の怪腕・多和田真三郎投手の投げあい。
注目の一戦でしかもお互い初戦で強豪と対戦するということもありやや緊張していてピリピリとした雰囲気があるのかと思いきや、シートノックを見ると比較的どちらもリラックスして試合に臨んでいるという印象を受けた。
これは好試合になるのではとこちらの期待も高まる。

中部商の先攻で始まった試合、八重山の先発は花城ではなく左腕の喜友名真士。
166cmと小柄ながら多彩な変化球と制球で勝負する投手。
初回は二死から3番打者・大城誠人がツーベースヒットを放ちまず先に中部商がチャンスを作る。
4番・伊礼輝の放った打球は快音を残し鋭い打球となりますが、不運にもセンター正面の当たりとなり中部商は先制ならず。

3回には二死ながら1,3塁のチャンスを作るが、初回にツーベースを放った大城がショートゴロに倒れまたも得点に至らない。
逆に、喜友名は序盤のピンチを抑えることで徐々に乗っていった。

対する中部商の先発は多和田。
キレのある直球と変化球を駆使する県でも屈指の右腕だ。こちらは3回を完璧に抑える最高の立ち上がり。
試合は投手戦の雰囲気を漂わせていく。


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試合前挨拶

その雰囲気の中、八重山は5回に先頭の6番・名嘉昇平がツーベースで出塁すると送りバントで三塁へ進み先制のチャンスを迎える。
ここで8番・美崎直聖の打球は前進守備を敷いたショート・中根奨の正面へ、サードランナー、名嘉はホームに突っ込むも中根が落ち着いて打球を捌きホームへ送球し得点を許さない。

しかし、続く喜友名がレフト前のヒットで繋ぎ二死ながら1・2塁と尚も先制のチャンスを作る。
ここで打席に立った1番・慶田盛要が意表をつくセーフティーバントを仕掛け、これがサードの悪送球を誘い八重山がついに待望の先制点をあげた。
更に続く2番・小底卓嗣がライト前ヒットと続くと、後ろへ逸らしたこともあり走者の2人が還り3点を挙げ、これで八重山が試合の主導権を握った。

何とか追いつきたい中部商は6回に吉里のツーベースを足がかりに1点を返します。
しかし、直後に八重山は、先頭の美崎がセンター前ヒットで出ると送りバントとヒットで一死1・3塁とすると、ここでワイルドピッチと犠牲フライで2点を加え試合の流れを渡さない。

そしてこの2点で八重山は一気に流れに乗り、8回は二死から長打3つを含む4連打で3点を加え、強豪対決で注目の一戦となった試合はまさかのコールド試合となります。


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試合シーン

開始前は好試合を予感させましたが、終わってみれば思わぬ大差がつきコールド試合という結果に。
やはり一つのプレーやミスで一気に試合は思わぬ方向に動いてしまうという高校野球の怖さを見せ付けられた試合だったと思う。

またこの試合を振り返ると八重山のファーストストライクから振っていく積極的な姿勢が目を惹いた。
そして、その積極的な姿勢をそのままに流れを掴むと一気に襲い掛かってくる迫力は素晴らしいものがあった。
八重山は花城が目立ちがちだが、個々の能力はやはり県でも屈指のレベルにあるだろう。
更にチームの纏まりもあり、今大会、上位進出の期待が持てそうだ。

一方の中部商にとっては非常に悔しい敗戦に。
多和田は持ち前の低目への制球がなりを潜め、高めに浮いた球を痛打されてしまい八重山打線を抑えることが出来なかった。

結果として序盤三回の内容からは考えられない内容になってしまった。
また、多和田を支える野手陣も自らのミスで相手に先制を許し、攻撃でもリズムを掴めなかった。
しかし、この試合では多くの課題が浮き彫りになったはず。
この敗戦からどうチームを立て直し夏に繋げていくかが、これからのポイントになるだろう。

(文=PN 山原

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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