宮崎西vs自由ケ丘
決勝のホームを踏む渡邉(宮崎西)
だが、そんなこととは裏腹に宮崎西には“発想の転換”というプラス材料があった。9回に追いつかれたことについて、宮崎西の兒玉正剛監督は、選手にこう話していたのである。
「追いつかれたわけでない。強豪の自由ケ丘さんといいゲームが出来ている。粘れているのだから切り替えていこう」
そして延長11回表、宮崎西は敵失で出塁した渡邉隆太郎を二塁に置き、1番・岡元泰斗が打席に入った。「下位が繋いでくれたので、自分も繋ごうと思っていた」。初球の真ん中ストレートを強振し「打った瞬間に越えたと思った」。打球はぐんぐんと伸び、中堅手の頭上を越え、これが決勝の三塁打となった。
延長11回を投げ抜いたエース戸高の粘投、最近当たっていなかった4番・原田の3打点、1安打ながら徹底してゴロを打って得点に絡んだ9番・渡邉、そして決勝打を放った岡元といい、“発想の転換”でいい方向へと導こうとした指揮官に対し、各選手が束になって応えた結果ではないか。
だからこそ、フレッシュな初出場初勝利-。
今大会の宮崎西は、一戦一戦、戦うのが楽しくてたまらないようにみえる。
(文=編集部:アストロ)