志度vs観音寺総合
志度「藤原 恭大&柳田 悠岐」フルスイングで初戦快勝!
志度先発・開 貴斗(3年)
昨秋は活発な打撃と右サイド・開 貴斗(3年・右投右打・171センチ62キロ・高松市立牟礼中出身)の軟投により県大会準優勝。今大会は秋の優勝校・高松商のセンバツ出場によりトップシードで迎えた志度。新鞍 全力疾走、細部にまで及ぶカバーリング意識などスキを突く準備を常に整えている観音寺総合相手に迎えた初戦の入りが注目された。
しかし、結果的には心配は無用だった。志度は開が1回表を二飛・遊ゴロ・中飛・球数9球という「らしい」投球で1回表に0を入れると、その裏、新鞍 幸一監督も「真面目な男」と評する先頭打者・田村 大樹(3年・中堅手・左投左打・172センチ64キロ・三木町立三木中出身)が2球目を藤原 恭大(千葉ロッテマリーンズ)を思わせるフルスイングで叩き右越二塁打。11月の県高野連招待会における鎖骨骨折の懸念を完全に払しょくする一打により彼らは秋同様の勢いを得た。
その勢いを増幅させたのがここまで高校通算9本塁打を放っている志度の3番・安倍 総星(3年・右翼手・右投左打・174センチ73キロ・東かがわリトルシニア出身)である。「いつも動画を見て目標にしているし尊敬している」柳田 悠岐(福岡ソフトバンクホークス)ばりのフルスイングで初回は詰まっても左前に落とす先制打。2回裏には一・二塁間を強烈に破る適時打。4回裏の三打席目も一死二・三塁から右中間を真っ二つに破る三塁打で計4打点をあげ、チームの14安打7得点快勝に貢献した。
そして新鞍監督は試合後、こう話した。「練習もキャプテンの古市 球瑛(3年・遊撃手・右投右打・170センチ68キロ・東かがわリトルシニア出身)を中心に任せているが自主練習もそのままにしたらいつまででもやっているし、負けん気もある。あとはチャンスを作って打って返す形を夏までやっていきます」。もし、その姿勢が一切ブレず、この日、田村・安倍をシンボルにした破壊力が積み重なていけば……。まだ志度商時代の1985年夏以来遠ざかっている甲子園は、手の届く位置に入ってくるはずだ。
(文=寺下 友徳)