試合レポート

帝京vs正則

2014.07.14

帝京、軟投派左腕・小森を攻略しコールド発進!!

 強いフィジカルから力強い打球を飛ばす。 高校野球において『振れる』打線で考えると帝京は全国でも指折りの学校だ。
そう、帝京といえば強力打線が看板になっているのだ。もちろん個々の世代に力の差はあるにせよ今年のチームも伝統を周到している。

しかし一方で帝京打線は軟投派を苦手にしているという側面もある。

本日の明治神宮球場の第二試合、帝京正則の試合。

正則の先発はエース・小森拓真は変則サウスポーで軟投派。
岸本監督も「彼の魅力は打たれそうで、打たれない、打たせて取ることが出来ること」と話す。
小森は緩い変化球を使いながら打たせて取っていくスタイルで、リリースの直前に顔を横に振るフォームも打者にとってはより打ちづらくしている。

ここまで2戦を戦い勢いがある正則に対し、帝京は夏の初戦。何が起こるか分からないのが夏の大会の怖さだ。
すべてが上手くかみ合えば、、、金星もありえる。

帝京は大事な初戦のマウンドをエース・清水昇に託した。


 初回、小森は持ち味を生かし帝京打線を3人で抑える上々の立ち上がり。
しかし、2回に帝京打線が小森に襲い掛かる。この回先頭の4番浜田弘幸を四球で出塁すると、5番小浜陸のレフトフェンス直撃のタイムリーツーベースで先制。6番中道大波は四球で続き、無死1,2塁に。ここで7番安竹聡司が犠打で送り、2,3塁にランナーを進めると8番清水、9番笠井拓弥の連続タイムリーでこの回3点をあげる。続く3回裏にも1点を追加した帝京。じわりとその差を広げていく。

対する正則は清水から連打を放つなどランナーこそ出すものの最後の一本がでない。

そして4対0で迎えた5回裏、帝京は2死2塁から、3安打3四死球を絡めて一挙5点をあげ小森をマウンドから降ろす。続く6回裏には正則・三番手深田から1点をあげ勝負あり。

帝京が軟投派・小森を攻略し、初戦を突破した。

帝京打線のそつのなさが出ていたのは3回裏の攻撃。2番郡泰輝がファーストのエラーで出塁すると盗塁に成功し、無死2塁に。そして3番松坂祐介のファーストゴロの間に郡は三塁に進塁。そして4番浜田は無理に引っ張るのではなくライトへきっちりとタイムリー。機動力と進塁打でチャンスを広げる。理想的な攻撃だった。
こういう攻撃をされると小森も厳しかった。

また帝京はこの試合で3つの盗塁を決めた。その3つとも次打者の打席の3球以内に決めたもの。行けると思ったらどんどん仕掛けていく。帝京の積極的な姿勢は相手を徐々に追いつめていった。
こうして10対0で初戦を制した帝京。3年ぶりの優勝へ。上々の滑り出しをみせた。

(文=二宮 清司

【野球部訪問:第86回 帝京高等学校(東京)】

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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