昨日の雨天ゲームから「サスペンデッド」について再考する
昨日の雨天ゲームから「サスペンデッド」について再考する
昨日は雨が試合に影響を与えた1日でした。
西東京大会準々決勝の日大二vs佼成学園は、日大二が1回表に先制したものの、直後に雨が強くなりノーゲーム。通常ならば第2試合も中止になるのですが、天候回復が見込めたために予定通り行われる、【いびつな形】になってしまいました。会場の[stadium]神宮球場[/stadium]では夜にプロ野球のナイターが行われるため、「何時になってもやる」という考え方ができないんですね。併用日の辛さです。ただそれならば、第2試合を中止にして既にプレイボールがかかった第1試合を成立させる方法はなかったのかなと思います。
静岡大会決勝では、藤枝明誠が12対2と日大三島を大きくリードした7回表に雨が激しさを増し、2時間56分中断。再開後も雨は止まず、グラウンドはグチャグチャな状態のままで、さらに点を取り合う展開。結局23対10というラグビーのようなスコアで藤枝明誠が勝ちました。
グチャグチャなグラウンドでホームベースが見えず、ホームインする選手がどこにベースがあるのか探しまわる光景もありました。
現地で直接取材していないので想像でしかないのですが、準決勝からの連戦、6回まで試合をしてしまった以上はノーゲームにすれば翌日に再試合をさせるのはかわいそう。そうなれば翌々日になってしまうという状況が働いたのではないでしょうか。
仮にサスペンデッドのルールがあったとしても、翌日というのは厳しかったように思います。特に日大三島は前日の準決勝で延長14回の激闘をしていました。
もう一つ、声を大にして言いたいのは今の高校野球特別規則にサスペンデッドは適用しないと書かれていることです。このことは以前にも書かせていただきましたが、サスペンデッドには、【交代して退いた選手は翌日の継続試合では何もできない】ということです。もし、継続試合になって試合出場可能な選手に体調不良やケガなどのアクシデントがあると、その時点で没収試合となってしまいます。実際にこの豪雨の後、一夜明けると選手の体調に何か変化が起こることも考えられます。翌日にはアップからノックまで試合前の通常のパターンがあるわけですから、そこで何か起こるかもしれません。全ての選手が出場できる再試合ならアクシデントがあっても、代わりの選手が出場すればいいわけで、リスクは少なくできます。
野球はチームスポーツ。サスペンデッドは、運営上は便利なのかもしれませんが、現状の高校野球では相応しくないと考えます。
(文:松倉雄太)
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