立教新座vs岩槻商
岩槻商業ナイン
岩槻商業、流れ掴めず立教新座に5回コールド●
一度、火がついた立教新座の打線を止めることが出来なかった。
この日、岩槻商業の先発を任されたのは背番号6をつけた下田。この春からキャプテンも任されるようになった。
「先発を告げられたのは昨日。自分で勝負にいくんじゃなくて、ストライクゾーンを攻めて打たせて、野手で勝負するようなピッチングをイメージしてたんですけど、3回以降はそのイメージ通りにいかずに焦って投げ急いでしまいました」そう下田が試合後に話したように、3対0と立教新座のリードで迎えた3回裏、4番・星野にヒットを浴びると、5番・関口に死球。6番・浜千代の打席で、ワイルドピッチから一死二・三塁とピンチを広げると、二塁打を浴びて2失点。さらに四死球が続いたところに2番・太田のライト前へのタイムリーに、守りのミスも絡んで9対0と点差を広げられる。終わってみれば、“野手で勝負する”とはいかずに失策4。11対1の5回コールドで岩槻商業は敗れた。
それでも、試合中は苦しい場面でもお互いに声を掛け合い、全力でベンチまで戻る。スタンドからも熱く声を枯らしてナインを鼓舞するマネージャー陣。誰ひとり、点差を広げられても決して下を向くことはなかった。
5回表、二死ランナーなしから、岩槻商業は最後の粘りをみせた。代打で送られた田村が相手のエラーを誘って出塁すると、ボークで二塁へ。さらに、9番・川田の内野安打で二死一・三塁。続く1番・下田がレフトへの二塁適時打で1点を還した。思い通りにいかないピッチングでの悔しさをバットで晴らした下田。普段はショートも守る下田は今、チーム事情により投・守・攻においてチームの中での役割も多く、またキャプテンとしてもメンバーを引っ張っていかなければいけない存在となった。
「確かに大変なポジションかもしれませんが、以前、監督が『神様は人に乗り越えられない壁を与えない』という話しをしてくれたのを思い出して、自分にも出来るんだと考えて取り組んでいます。監督やメンバーからも多くのことを学ばせていただいているので感謝しています」(下田)。
これからも、前向きに。岩槻商業らしく。夏は、「心で勝つ」野球を目指す――。
(文=編集部)