聖心ウルスラvs宮崎日大
序盤から攻め続けた聖心ウルスラ!ラッキーもあり、第1シードを撃破!
先制打を放つ4番前田(宮崎日大)
【両チームここまでの戦績】
■宮崎日大
[2回戦]4対0佐土原
[3回戦]2対0宮崎学園(試合レポート)
[準々決勝]8対7鵬翔(試合レポート)
■聖心ウルスラ
[1回戦]9対0日向学院(7回コールド)
[2回戦]3対0延岡工業
[3回戦]5対4第4シード都城商業(試合レポート)
[準々決勝]2対0延岡商業(試合レポート)
台風19号の影響で、強風が吹き荒れ、時折、雨が降るなか始まった準決勝第1試合。九州大会出場をかけて、第1シード宮崎日大は右腕エース杉尾、聖心ウルスラは左腕エース川嶋がマウンドに上がった。
杉尾は、毎回ランナーを背負いながらも1点を与えない粘りのピッチング。一方、川嶋は宮崎日大打線にノーヒットピッチング。両エースの意地がぶつかり合う引き締まった展開となった。
試合が動いたのは、4回裏宮崎日大の攻撃。四球と暴投から二死二塁のチャンスをもらって、4番前田が二塁手の右を抜く右前適時打を放つ。チーム初ヒットがタイムリーとなった。
しかし、4回まで毎回出塁するも後続が抑え込まれていた聖心ウルスラ打線に集中打が飛び出す!5回一死から8番川嶋・9番松葉の連打で一二塁になると、3打席目をむかえた1番是則が中前適時打を放ち、試合をふりだしに戻した。
(第1シード)宮崎日大1-1聖心ウルスラ。九州大会出場と決勝進出はどちらの手に?
決勝打を放った3番甲斐拡(聖心ウルスラ)
均衡が破れたのは7回。二死二塁から聖心ウルスラ3番甲斐拡が放った打球が、宮崎日大ファースト落合の後方ファールグラウンドへ飛んだ。
しかし、強風で白球が大きく流される!落合は追いつけない!慌てて、宮崎日大セカンド益留とライト前田が駆け寄ったが、白球は無情にもライト線際のフェアグラウンドに落ちた。
その間に、二走是則が生還。これが決勝点となり、聖心ウルスラが決勝進出と九州大会出場を決めた。
台風19号の強風が、聖心ウルスラに味方した。決勝打の白球が落ちた場所をみれば、一塁手・二塁手・右翼手から一番遠いフェアグラウンド地点。無風の中であっても捕球するのは極めて難しいポテンヒットゾーンだった。
宮崎日大にとって、強風に十分注意しても捕りようがない「不運」だった。
試合後、宮崎日大榊原聡一郎監督は、「(選手達に)早く帰るぞ!」と、報道陣に応じず球場を後にした。
(先制打を放った)4番前田は、「力不足です。今から帰って練習します。切りかえて、また一から夏に向けて頑張ります。」と、敗戦を真摯に受けとめていた。
■聖心ウルスラ小田原斉監督
「序盤から打線が良く振れていた。毎回ヒットで攻めて、大きな流れを相手に渡さなかったのが良かった。(決勝にむけて)まず秋で優勝して、九州大会に行く。」
■聖心ウルスラ甲斐拡希主将
「(九州大会出場に)率直に嬉しい。ピッチャーがよく抑えてくれた。1回戦からチームの調子が良く、日大に勝つことを意識していた。(決勝打は)風でラッキーだった。(決勝にむけて)『負ける』という言葉は無い。勝って1位で九州大会に行く。」
(写真・文=三角 竜之)